金曜日、机の上に伏せられたままのお茶碗を避けるように武臣くんの手がリモコンへ伸びる。まだ体が甘くしびれているわたしを抱いたまま、武臣くんがテレビをつけた。さっきまでわたしの中を弄っていた指が、チャンネルをザッピングしてる様はなんだかおかしかった。ドラマ、旅番組、食事、クイズ、音楽番組。選ばれたのは音楽番組で、マックの有線で聞いたことあるバンドがちょうど演奏を始めるところだった。ギターリフから始まって、ボーカルが叫ぶように歌い始める。わたしはあまり聞かないジャンルだけど、武臣くんは鼻歌まじりで聴いている。
「この曲好き?」
「うーん、別に」
武臣くんの腕がわたしのお腹に張り付いて、ゆるゆると撫でられている。薄皮と脂肪の下には、武臣くんのザーメンが私の中で泳ぎまわっている。我が子を撫でるような優しい指に、私も指を絡めた。撫で回されているお腹が、ぐうと鳴った。
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