獅音くんの爪を切る「獅音くん、手かして」
わたしは、帰ってきてからずっとテレビを見ている獅音くんの足の間に座った。
獅音くんは自分で爪切りをしないので、私が切るか折れるかするまでそのまま放置して、とってもばっちい。
爪の間に血やら埃やらが挟まっていることはざらで、本人はそれを気にしないでお前のまんこに入れる指だから、とか言って私に指を舐めさせようとする。この爪切りは彼のためだけでなく、私のためでもあるのだ。
差し出された右手は、やっぱり爪が伸びていた。持ってきた爪切りで大まかに短くしてから、やすりをかけて丸くする。メリケンサックをするからか、第二関節に擦り傷が多い。人を殴れば自分も傷付くのに、なんで喧嘩なんてするんだろう。獅音くんはわからないことばっかりだ。
テレビに飽きたのか、獅音くんの顎が私の肩に乗る。指先を見ているようで、なんだか緊張した。親指、人差し指、中指まで終わって、一度息を吹きかけて、削りかすを飛ばした。それを真似るように、獅音くんが私の耳に息を吹きかける。
「んっ♡ね、あぶないからちょっと待って」
「は?待てねー」
息を吹きかけてきた唇で、耳たぶをはまれる。先週獅音くんに開けてもらったピアスが歯で引っ張られて、痛みに声が漏れてしまった。
「血の味する、声えっろ」
「ピアス、なかなか安定しないの」
くちゅくちゅと脳に直接届く水音に、内股に力が入ってしまう。最後にえっちしたのは先週で、オナニーもしてなかったので、私のおまんこももうびちゃびちゃに濡れてしまっている。
「あとどれくらいで終わんの?」
「もうすぐだから、ね」
左手が、私のシャツの太ももを撫でる。膝から触れるかふれないかの力で何往復も。集中できなくて、私の手が止まるたびに、獅音くんの手もとまる。
「手止まってるぞ」
深呼吸をして、もう一度作業を始める。とにかく刃物の作業をさっさと終わらせないといけない。ぱちん、と切れた爪がティッシュから外れたところに飛ぶ。それを拾って、爪やすりにうつる。やすりを動かすたびに、太ももが撫でられる。だんだんと付け根の方に近づいてきて、我慢できずに手を止めた。
「ねえっ!手元狂って傷つけちゃうからっ」
「人のせいにすんなよ。お前が堪え性がねえんだろ」
堪え性なんて難しい言葉知ってたんだ、なんてびっくりしていたのも束の間、まだ爪の長い左指でパンツの上からクリを押された。爪のせいでいつもよりも鋭い刺激に、甘くイっていしまった。
「ッ♡あ、っ♡獅音くん♡」
「左手もやる?それともまんこいじってやろうか?」
「……あとにする」
「いい子」
私は手に持っていた道具とティッシュを半分に畳んで、ベッドサイドに移動させた。差し出された人差し指と中指を咥える。
「きれいにできてるか?」
私はそれに舌を這わせながら頷いた。