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    syuma0211

    @syuma0211

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    syuma0211

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    途中までです。中途はんぱ
    あまりにもかけなくて。。ヒュフェのヒュが若干ぽんこつの話です
    オチは決まってるけど、途中がかけない

    『すきすきあいしてる』

     フェルディナントはよく褒める。朝起きてから紅茶、食事、馬、庭園、本日の天気に至るまで、様々なものを褒める。人もそうだ。
     紅茶を淹れた侍従、食事を作った料理人、馬の世話をした馬丁、庭園の手入れを行っている庭師等。人の上に立つとして育てられた彼の誉め言葉は日常で、そんな日常の中にヒューベルトもいる。
     つまり、フェルディナントはヒューベルトのこともよく褒める。黒く重さを感じる髪を艶やかで烏の濡れ羽色のようだと褒め、瞳を見れは夜も輝きを失わない輝石のようだと褒め、人には言えないような仕事が多い為に日に焼けない不健康な肌を白くてきめ細かだと褒める。暗くて重い声を落ち着く艶のある声だ言い、道端で黒い猫を構っていると思えば君に似てて可愛らしいからと頭がおかしいのではと思うような事すら言う。
     ヒューベルトを罵倒したり恐ろしがる人間は山ほどいたが、真っすぐにその容姿から褒める酔狂な人間などほぼいない。だから最初は戸惑いもあったが、人となりを知り恋人としての彼なりの礼儀なのかもしれないと思えば納得もできた。
     なので彼の囁く愛の言葉もその一つだと思っていた。しかし長く共に過ごしているうちにヒューベルトは気づいた。彼は他の人間には言わない。誉め言葉は言うが愛の言葉は言わない。
     彼が愛しているというのは、帝国と自分なのだと。気づいたときの感情は一言では言い表せない。恐れ、喜び、愛しさ、幸せ、苦しさ、罪悪感、そのどれもが当てはまってどれもが違っていた。


    「釣った魚に餌やらないっていうのかしら?  ああいうのってよくないわよね」
     漏れ聞こえてきた、言葉が不意に気になったのは偶然だった。
    「最初は好きとか言って、いざ付き合ったら全然好きとか言ってくれなくなるの」
     宮城で働く下働き達の言葉である。忌憚なく行われる井戸端会議は人間関係の把握等には最適である。これが陛下の傍に侍るものであるなら処罰を行うが、人の繋がりを利用し、陥れることもある身としては情報源でもあり活用することもある。大抵は大げさに誇張された噂だったりするのだが。
     聞こえた内容は、噂でもなんでもないただの恋人への愚痴であった。
     妙に響くのは、フェルディナントとの交際を思い起こさせたからだ。恋情を伝えたのはヒューベルトが先だった。そしてそれは受け入れられた。
    「向こうから言ってきたのに、今はこっちばっかり」
     ヒューベルトはそっとその場から離れた。
     思考を深めるためだった。最初は確かに伝えた。だが、思い返せば、それ以降は伝えたことがないのではないだろうか? フェルディナントに愛の言葉を。


    「好きです」
    「ああ、君の好みだろう。今日の豆は焙煎が上手くいったのだ」
     今日はフェルディナントの邸宅にての茶会だった。二人揃っての休日は久しぶりだ。窓からの陽光のような明るさでフェルディナントは浮かれていた。テフ豆の焙煎が上手くいったものを淹れられるのも嬉しかった。焙煎後日が経ちすぎると風味も変わってしまう。
     焙煎の違いに気づいてくれて嬉しいと笑顔になると、ヒューベルトの眉根が少し寄った。
     そして何故か手を握られた。特筆すべきことではないが、この日は卓に向かい合うように座っているのではなく、二人は長椅子に座っていた。必然的に普段よりも距離も近かった。
    「フェルディナント殿、好きです」
    「ふふふ、それほど美味し」
     言葉は途中で途切れた。ヒューベルトが握った手を引いたからだ。引かれた手はヒューベルトの口もとに寄せられる。触れた感触でようやくフェルディナント気づいた。
    「ヒュ、ヒューベルト?」
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    syuma0211

    MAIKING途中までです。中途はんぱ
    あまりにもかけなくて。。ヒュフェのヒュが若干ぽんこつの話です
    オチは決まってるけど、途中がかけない
    『すきすきあいしてる』

     フェルディナントはよく褒める。朝起きてから紅茶、食事、馬、庭園、本日の天気に至るまで、様々なものを褒める。人もそうだ。
     紅茶を淹れた侍従、食事を作った料理人、馬の世話をした馬丁、庭園の手入れを行っている庭師等。人の上に立つとして育てられた彼の誉め言葉は日常で、そんな日常の中にヒューベルトもいる。
     つまり、フェルディナントはヒューベルトのこともよく褒める。黒く重さを感じる髪を艶やかで烏の濡れ羽色のようだと褒め、瞳を見れは夜も輝きを失わない輝石のようだと褒め、人には言えないような仕事が多い為に日に焼けない不健康な肌を白くてきめ細かだと褒める。暗くて重い声を落ち着く艶のある声だ言い、道端で黒い猫を構っていると思えば君に似てて可愛らしいからと頭がおかしいのではと思うような事すら言う。
     ヒューベルトを罵倒したり恐ろしがる人間は山ほどいたが、真っすぐにその容姿から褒める酔狂な人間などほぼいない。だから最初は戸惑いもあったが、人となりを知り恋人としての彼なりの礼儀なのかもしれないと思えば納得もできた。
     なので彼の囁く愛の言葉もその一つだと思っていた。しかし長く共に 1509

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