自探索者とよその探索者さんとのssけも耳生える話 〜好日軒の場合〜
新型感染症が未曾有の大流行の後にその矛を納めたかと思えば、のべつ間もなく新たなパンデミックが発生した。
今度こそ、対抗手段もないままに人類は翻弄されているのである。
しかし新たな脅威は、高熱を出すわけでも味覚を奪うわけでもないらしい。
いわゆるケモ耳、なるものを生やしてしまうのだとか。
そんなバカな。耳を疑うようなニュースにそう思ったのも束の間である。
いつものように顔を洗おうと鏡に向かったら、自身の頭がもふもふの耳を一対携えているのであった。
そのうえ一層もふもふの尻尾が腰からぶら下がっているのを見てしまえば、田畑俊郎は鏡の前で崩折れるしかなかった。
報道を見る限り、放置しておけばすぐに戻るらしい。
3215