きみとふたりで夜を越えたい! 散々飲んで家路についたはずが、気付けば知らないベッドの上で抱き締められていた。
力を抜いて体重を預けると、首の後ろに温かい唇を感じる。ちゅう、と肌を吸った後、からかうみたいに軽く牙が食い込む感触。ロナルドは痛い様な痒い様な微妙な感覚に肩を震わせ、背後の男を肘で小突いた。
「馬鹿、あんまり噛むなって。退治人に牙の跡なんて残ってたら信用ガタ落ちだろ」
「なるほど、それはいいことを聞いた」
「あっ、」
がぷり、とさっきより心持ち強めに噛まれて声が上がる。うなじを手で探ってみれば、ぬるついた唾液で濡れた皮膚にくっきり跡が刻まれていた。
「やりやがったな、この野郎!」
「ウハハ、油断した方が悪い!」
「くそ、言ってろ!」
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