ーーーーー自分だけが知っていればいいーーーーー
「好きな子っているの?」
突然の質問に対して、シゲル君はいるよと早々に白状した。痛みに目を閉じたまま無邪気さを装って誰なのと聞くとその内わかると笑顔がかえる。
「誰にも言わないから教えてよ」
「僕だけの秘密にするつもりだったんだけど」
食い下がる僕に、嬉しそうな笑顔の君が僕の名を呼んだ。
ーーーーー僕の半分ーーーーー
壊れてしまったモンスターボールをシゲル君の机に見つけて、これは何の呪(まじな)いだろうと首をかしげた。
「もう半分はサトシが持っているんだよ」
由来を話してくれたシゲル君が妬かないの?と僕を揶揄う。
妬かないよ。僕自身が既に君の半分を占拠してるって知ってるんだから。