family.3「暇ならドライブ行かない?」
特にやることもない休日、テレビを点けたものの面白い番組もやっておらず、アルバーンはあてもなくチャンネルをポチポチと変えていると、サニーが後ろから声を掛けてきた。
今の明らかに暇を持て余している状態を見られているのなら、忙しいという返事もできない。でも二人きりで出かけることに、抵抗がないわけではない。アルバーンが答えあぐねていると、サニーがソファの隣に座り、更に押してくる。
「アルバーンと行きたいところがあってさ、付き合ってよ」
「行きたいところって?」
「できれば内緒にしておきたいんだけど…言わなきゃ来てくれない?」
至近距離で真っ直ぐ見詰めてくる、深みのある群青に吸い込まれ、思わず頷きそうになる。アルバーンは慌てて目を逸らした。
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