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    白川もひゃろく

    @MoHya06mok

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    白川もひゃろく

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    支配されたドクマリさんと、それにたどり着いたマリオさんのお話。

    プロットも全部完成して一気に仕上げるつもりが保存ミスで全部消えるという大事故に合ってしまったので没……にしようか迷って途中まで再制作したのが下書きに残ってたので、ここに上げました。本来は続きがあるけど、一旦ここまで。

    #マリオ
    mario.
    #ドクターマリオ
    dr.Mario.
    ##マリオ
    ##ドクターマリオ
    ##小説

    薄命時に映る赤深く、暗い闇の中で、意識を取り戻した。
    その瞬間、肌を冷たさが包み込み、ゆるやかに流れていくことを感じ取った。身体が、ゆっくり、ゆっくりと下へ向かっている。
    白衣が、ゆらりゆらりと靡いている。
    聴診器が、ゆらりゆらりと揺れている。

    ボクは今、落ちている。
    落ちていることに気付くのに時間がかかったが、不思議と恐怖は無かった。

    だが、何故ボクがここにいるのかは、思い出せない。ボクが何者なのか。何をしていたのかが、もやに包まれている。
    ただひとつ、頭の片隅にぼんやりと思い出せたのは、「戦い、勝て」という命令だけだった。

    考える間もなく、朝日が昇り始める。移ろい行く色彩を眺めているうちに、世界がその姿を表した。遠くに見える滝と、山と、町並み。…それが、何故か、懐かしい。
    共に光に照らされながら、地面が近付いてくるのを目にした。もやを晴らすことはできなかったが、足はしっかりと地面の上へと降り立ち、暖かい方向を見詰めていた。
    優しい風に乗って、手のひらに花弁が落ちた。
    いや、ボクは…白い手袋をしていた。

    「ドクター…、やっと、見付けた。」

    その声に、ふと振り返った。花弁が流れていった先に、知らない、赤色の服を来た男が、そこにいた。…この人は、これから戦う相手だ。敵だ。それだけ、理解した。
    だが、その姿に。声に…違和感がある。何かが引っ掛かる。それが何なのかは、やはりわからない。

    「……キミが、ボクが戦う相手か?」

    目の前の相手へと、質問を投げ掛けた。
    この人間が、この相手がこれに答えてくれるということは何故か知っていた。
    やわらかい風がふいた。

    「…そうだね。ボクは、キミと戦う相手だよ。」

    相手が少しだけ、寂しそうな表情をした気がする。でも、すぐに戦う者の瞳へと変化した。
    相手の瞳が、まっすぐにこちらを見つめている。ボクも、同じように見つめている。
    その瞳に、何かが動かされるような感覚がした。

    「戦い、勝て」という命令が、頭の中に再び響いた。…そうだ。こんなことをしている場合じゃない。これは、戦いだ。

    「ボクは、キミと戦う。そして、勝つ。それが、ボクに与えられた命令なんだ。」
    「ボクも同じだよ。キミを探していたんだ。ボクも、…キミと戦う。」

    小さく息を吐いた後、お互いに地面を強く蹴り出した。
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