手をかけたそれは、
自らの手で葬ろうと胸を貫いたその少女は。
かつて自分が愛した成れの果てで。
最愛の君は、自我も記憶も感情も、既に無く、別の存在に生まれ変わったのだと。それは別の誰かだと。決して君では無いのだと。
そう思っていたのに。
あの日交わした契りを、もう覚えているはずがないのに。
…あぁ、俺は何も気付かずに、最愛の存在を葬ろうとしたのか。

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