退化【収斂進化】
魚類のサメと哺乳類のイルカのように全く系統の違う動物が、似たような体形をもつようになること。食物や環境に由来するといわれる。
引用:goo辞書
自分達の存在は午前4時に酷似している。
朝と夜が溶け合い、曖昧な境界に浸りながら確かに其処に存在している。
爪先を中心に、放射状を描くシーツの皺を眺める。僅かに爪でかくと、バタフライエフェクトのように波打つ布の影。潮汐のそれとは異なった、引くことのない溟渤は窓掛け越しの朧気な光を浴びている。
自分たちは取り返しの付かない所まで来てしまった。お互いに与え、溶け合い、削ぎ落とし、失い。そうして、濁流に研磨された石のように。形を変えていく。
進化の大樹の枝分かれを、遡るが如き行為。
549