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    pheas357

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    pheas357

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    ホワイトデー工場長。
    あまりカプっぽくなってないけどその辺は例によってご自由にヽ(・ω・)

    出てくるお菓子の元ネタはこれ↓
    https://www.tabirai.net/sightseeing/column/0000851.aspx
    とホワイトデーは福岡のマシュマロの会社が発祥説(諸説有)

    何かの実験に使いたいらしく、ダツラからまとまった量のしらタマを送って欲しいと言われて、昨日はほぼ一日地下に籠っていた。必要なだけをなんとか掘り出し、ホウエンに送ろうかとなった時に、思い立って自分で持っていこうと、ヨスガ空港からホウエン行きの飛行機に乗り込んだ。
    ヨスガ空港にはおいしいが賞味期限が数時間という、他所の地方どころか町外でもなかなか食べられないパイが売っているのだが、飛行機なら間に合うと考えて手土産に買っていった。大量のしらタマはさすがに結構な重さでダツラにはだいぶ心配されたが、ドータクンを連れて行ったのでテレキネシスでなんとかなりそうだった。
    ホウエンに着いてから、ダツラとの待ち合わせ場所に向かう。ダツラにしては珍しく、まだ着いていないのか周辺に人影は見えなかった。
    一度荷物を下ろしてからドータクンをボールに戻し、ベンチに座る。数分後に遠くにダツラの姿を見つけ、相手が来る前にネジキの方から近付こうと立ち上がった。
    ダツラもこちらへ向かって来ているし、この距離なら大丈夫だろうとネジキは自力で荷物を持とうとする。ただ持ち上げるだけならばよかったが、うっかり走ろうとして重さに振り回され、何もないところでけつまづいてしまった。
    幸い転んだりケガらしいケガはしなかったが、傍から見るとだいぶおかしなよろけ方だったようで、ダツラが慌てた様子で駆け寄ってくる。大丈夫と言ったが、本当にケガがないかきっちりと確かめるまでの間、全身をくまなく調べられる羽目になった。
    ようやく解放されてダツラの家へ向かう。しらタマの入った袋はそのままダツラが受け取って持っていった。
    家に着いてから改めて中身をチェックする。念のために少し多めに持って来た、とネジキは思っていたが、袋の中を見たダツラが笑い出した。少しどころでなく量が多かったようで、ポケモンの力を借りたとはいえよくこれだけ集めて持って来たと言われてしまった。宅配で送れば楽だったのにわざわざ自分で運んで来たのだからなおさらだろう。
    直接運んで来た理由を思い出したネジキは、荷物の中から取り出したパイをダツラに渡す。あと30分以内に食べてくださいよと言いながら。
    「よく間に合わせて持って来たな」
    極端な賞味期限を見たダツラが驚いたように言う。
    「今日、ちょうどパイの日だし、せっかくだからって思ってー」
    バレンタインの時期、たまたまシンオウに用事があってネジキと会ったダツラは、友チョコと称して大量のお菓子をネジキに渡していた。今日はホワイトデーでもあるので、お返し、という名目らしい。
    大量のお菓子に対するお返しがこれだけというわけにもいかなかったようで、他にも何やらあれこれ持ち出してくる。一つ一つはそう大きくもなく軽いものとはいえ、改めてよくこんなにたくさんの荷物を持って来たものだと笑い出しそうになる。
    「むー……」
    気配を察したようで、ほんの少し不服そうな顔になる。その様子に今度こそ笑い出したダツラは、立ち上がって軽くネジキの頭を撫でると、隅の戸棚を開けてこちらも大量のマシュマロを取り出した。先月、帰り際に、ダツラもネジキに友チョコとして大量のお菓子を渡されていた。シンオウへ送るつもりだったが、ネジキが直接来ると言うのでしまっておいたものだった。
    自分の置いた大量のお菓子の横に、同じように山積みされたマシュマロを見て、ネジキも笑い出した。
    「……食うか」
    互いの用意したお菓子を食べ合う。マシュマロばかりとはいえ、中身のバリエーションを色々と揃えていたものを、食べ比べとばかりあちらから1つ、こちらから1つと食べていくネジキの様子をこっそりと観察する。
    自覚があるのかないのか、次第に笑顔になっていくネジキを見て、思わずかわいいな、と口走る。
    「!……」
    そのまま動きを止めて、こちらをじと……と見てくるネジキにもう一度かわいいと言ってやる。
    黙ったまま下を向いてまた食べ始める。食べることに集中して誤魔化しているのか、それでも少しばかり口角が上がっているのが見えてしまって、なんだか楽しくなった。
    それ以上のいたずらはやめて、ダツラも食べる方に集中する。1つ食べ終えてから顔を上げると、ネジキがにこにこしながらこちらを見ていた。
    「かわいー」
    たった一言そう言われて、ダツラも一瞬固まる。
    「かわいい」
    言い返してネジキの頭を豪快に撫でてやる。
    「むーーーー……」
    笑って笑い返して、言って言い返して、まあお返しの日なんだからそれでいいんじゃねえの、とダツラは考えていた。
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