こいとはどんな、「隊員との恋愛ってどう思う?」
同じ年の奴らでの飲み会の終盤に来馬がぽつんとそんなことをいった。金曜日の夜の居酒屋の喧噪に紛れて何でもないことを装ったみたいな声だった。
「ええー、ダメだろそれは……」
思いのほかガチめのトーンで太刀川が返すのを、少し驚いた顔で来馬が見る。
意外かもしれないが、来馬がボーダーに来るよりも前の時期、まあ色々とあったのだ。
「士気に関わるしな…堤んとこだってセフレなわけだし」
「おい」
急に自分の名前を出されて焦る。
自隊の隊長とそういう関係なのは事実だし、ここにいる奴らは来馬を含めて全員知ってはいるのだが。
「それは恋愛関係とは……」
酒気に少しだけ混濁した目をこちらに向けて来馬が言ったのに、オレが答える前に太刀川がやけにきっぱりと返す。
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