ぼやけた世界 今度の依頼の打ち合わせをしようと中央の魔法使いと晶は談話室に集まった。
テーブルに広げられた依頼書と地図に目を通す。
大真面目な顔で依頼書を見つめる晶には一つ、皆んなに秘密にしている事があった。
それは、晶は視力が悪いのである。
詳細が書かれているであろう紙は、今の晶の視力では白紙も同然だった。
癖になった無意識できゅっと目を細める。そうすると少しでもピントが合って白紙から何か書いてあるなに昇格するのだ。
見る事に全意識を集中していた晶はその姿をアーサーが見ていた事に気づかなかった。
「そんなに険しい顔をなさらなくても大丈夫ですよ。今回の依頼は危険な事はありません」
「まぁ、警戒は怠らないがな!安心して任せてくれ賢者様」
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