「……えぇと、あの……法正殿」
徐庶が首だけを回してそーっと横を見やると、彼に背を向ける法正がそこに横たわっていた。
「寝てしまった、か……」
ポツンとした空気に少しシュンとした彼は小声で独りごちる。
──俺は毎回こうなんだ……。
徐庶はまた人知れず反省会を始めた。
職務も地位も関係なく、ただ君とこうして「話す」時……どうにも歯止めが効かなくなってしまう。こんな俺を受け入れてくれるのは嬉しいけど、事後はといえばいつもこの淡白な感じだ。翌朝になれば普段通り政務について、顔を合わせても確認事項を共有する程度。
それはまあ、何もおかしくないか。
ともかくずっと気になっているのは、君も──その、よくなれたんだろうか……?って事なんだ。
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