赤髪海賊団の音楽家 今晩レッドフォース号の不寝番を担当するのは、副船長のベン・ベックマンと何人かの船員。ベックは今日は甲板の担当だ。他は晩飯を食べ終わって、自由に過ごして勝手に自分の部屋で寝て始まる。
僅かに残っている夜更かし共が集まる食堂にベックは足を運んだ。
「まだ起きてんのか。誰か俺と当番代わってくれんのかよ」
そう言うと全員揃って首を横に振る。自由にする夜更かしが好きなだけで、義務の夜更かしである不寝番は嫌なのだ。それを分かった上で揶揄ったベックはくつくつと笑いながら、小さな宝箱を開ける。あ、と小さく溢したのは誰だっただろうか。
ベックはその中の電伝虫を手に取って、シーっと人差し指を口元に立てた。
今日の波は穏やかで、雲ひとつない星空は宝箱と見間違うほど輝いている。そんな中、ベックはハンドレールに置いた電伝虫を起こした。
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