地場「ゲンさんがいてくれて助かりました。 ありがとうございます」
「気にすることはないよ。トレーナー同士、助け合わないと」
鋼鉄島の地下深く、ジメジメとした湿気と土の匂いの中でゲンさんは涼しげに笑った。
本当にゲンさんが通りかかっていなければどうなっていただろう。まさに渡りに船というべき出来事に感謝しつつ、私は自分の行いを反省しなくてはならない。
修行のためと勇んでみても、熱が入りすぎては意味がない。空回りしたそのツケは今ボールの中で休むポケモンたちが払うはめになっているのだから。
戦えるポケモンがいなくてはこの場所からでることもままならないというのに、私はそんなことも忘れてポケモンたちに無理をさせてしまった。トレーナー失格ともいえる失敗に、私は奥歯を噛み締めるしかない。
4931