もうすぐで日付をまたぐころ。
ロックとジャズはベッドでふたり横になっていた。
ふと、ジャズは自身の首から胸にかけてついている赤い跡を撫でた。
「どした、どっか痛いのか?」
問うてくるロックの声は優しい。
ジャズは緩く首を横にふる。
「いや、俺もつけたいな、って…」
そう言ってジャズは恥ずかしそうに顔を伏せる。
「いいぞ」
「へっ?」
ロックがジャズを抱え一緒に起き上がる。
「いいぞ、ほら」
ロックが胸前を開ける。
「…えと、」
「吸いつく感じでやってみな」
そろそろとジャズが近寄り、少し迷ってから鎖骨と首の間あたりを撫でた。
「…ここにする」
「ん、おっけ」
ジャズがロックの首に手を回して近づき、肌に口づけた。
ちゅ、ちゅうっと吸い、離した。
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