神様なんて神父様は心優しい青年だ。
まだ若いにも関わらず、教会の神父を勤めており、それでいてたくさんの人からの信仰を集めている。
かく言う私もその一人だ。
彼の話す言葉は人々の心を動かし、良い影響を与えてくれる。
名を鬼伏千隼。
いつの間にか、私は彼を心から信頼し、心を許していた。
さて、今日はミサの日。
だが、何かがおかしい。
いつも静かな教会だが、今日はいつにも増して静まり返っている。
それも無気味な程に。
あまりの雰囲気に気圧されるも、意を決して扉を開く。
するとそこには赤い血溜まり。
見間違いか?目を擦る。
目を開けると、先程よりも鮮明な赤色と血の匂いにくらくらしてきた。
「……え?」
「ああ、今日も来てくれたんだね。」
神父様の声。
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