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    BYAKKODDDA

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    うちよそショート ここは領都グラン・ソレン。領王エドマンが収めるグランシス半島の都。そんなグラン・ソレンの喧騒の中、覚者セオドアは酒場で食事を摂っている二人の女性をじっと見つめていた。
     その二人の女性とはセオドアと同じく覚者のアラネアと、そのメインポーンであるアズラだった。どちらも褐色肌に銀髪で一見すると姉妹のような出立ちである。アラネアはやや細身で華奢な体格だが、その見た目と裏腹に豪快にも酒瓶から直接酒をあおっている。アズラは女性にしては筋骨隆々で豊満な胸が目立つ格好をしており、肉を頬張っている。
     そんな二人に対しセオドアには邪な企みがあった。二人を甘い言葉で誘い、手篭めにしてやろうと考えていたのだ。彼の本命はアズラだ。なので彼女のマスターであるアラネアさえ誘いに乗ればポーンであるアズラは仕方なしに一緒に来るだろう。そして自身の超絶テクで二人纏めて堕としてやろうという算段だ。全く取らぬ狸の皮算用とはこの事であろう。
     「(クックック…、あの二人は下賤な身分のようだが身体は中々なようだ。あの気の強そうな女どもが我輩に従順な雌犬になると思うと堪らないな…。)」
    そんな下衆な事を考えながらセオドアは二人の元に歩いて行った。
     「おや、上等な陶器のような肌に宝石のような瞳。貴方のような美しい女性と出会えるとは運命かな?お嬢さん、良ければ私と一緒に一夜限りの旅に出ませんか?」
    普通なら鳥肌の出るようなキザな台詞。しかしセオドアは持ち前の容姿を武器にこのような台詞で女性を虜にしてきた。そしてアラネアはというと…
     「へぇ、お兄さんカッコいいじゃない。じゃあその一夜の旅とやらに付き合っちゃおうかしら?」
    面食いであった。中身がどんなに下衆な者であろうと外見が良ければこの有様である。アラネアはそのまま席を立ちセオドアの腕に自分の腕を絡める。このまま下衆な男に手篭めにされてしまうのか?とその時…
    ドゴォッ!「ハウッ!!」
     大きく鈍い音が鳴ったと同時にセオドアが悲鳴を上げ前のめりに倒れ伏す。何があったのか。アラネアのメインポーン、アズラが後ろからセオドアに金的蹴りをしたのだ。
     「ちょっ!何してんのよ!せっかくいいとこだったのに…」
     「マスター、あのような者にはついて行っても碌な事になりません。見た目が良いとすぐに後をついて行く癖も直して下さい。早くこの場から離れましょう。」
    アズラに食ってかかるアラネアだったが、アズラは全く悪びれる様子もなくアラネアを半ば無理矢理に引っ張って歓楽街へ消えてしまった。残されたのは股間を押さえて悶えるセオドアと突然の出来事に集まってきた野次馬のみだ。
     「マスター、大丈夫ですか?」
    この時にようやく彼のメインポーン、ハナが話しかける。
     「うぐぐ…、貴様は我輩のメインポーンの癖に何をしていた!おかげであの二人に逃げられてしまったではないか!お仕置きついでに今夜は貴様で我慢してやる。ありがたいだろう?」
     「はい、ありがとうございます。」
    ハナに肩を貸されながら二人も歓楽街の喧騒の中に消えて行った。
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