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    BYAKKODDDA

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    BYAKKODDDA

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    物語の導入部的な感じに書きました。解釈違い等ありましたらすみません。

    BADGIRLs 「ケイオス」ここは笠浜町の沿線上にある某町。高層ビルが並び立つ中心街から離れ人通りの絶えた再開発エリアは不良達の溜まり場となっていた。そのエリアにある廃ビルの中、粗末なソファに彼女は座していた。

    「…あいつら、まだ帰って来ねぇのか?笠浜の連中に軽くケンカ売って来いってだけなのに妙に時間掛けやがって…。」

    手持ち無沙汰なのか悪態をつきながらバタフライナイフを回している黒いスカジャンを着た人物は、この町で最大規模の不良グループ"ケイオス"のリーダー、忍野凪(通称ナギ)である。彼女は一見すれば小柄な少女だが、見た目と裏腹に非常に凶暴で町の不良達からは"凶鼠"と呼ばれている。

    「チームの足並みが揃わねぇ"Dクラッカー"に、弱体化してる"死瑠苦乱世璃威"の末端メンバー相手に、そこまで手こずるとは思えないんだがなぁ…。」

    すると廃ビルの中に黒いライダースーツを着た大男が2人のチームメンバーの首根っこを掴みながら入ってきた。

    「忍野さん、コイツらウチに帰って来れずにウロついてたみたいなんで連れてきました。残りの連中も多分何処かにいるでしょう。」

    この大男はナギの側近的な存在で"ケイオス"のナンバー2である大山太郎(通称ダイダラ)。彼は常にフルフェイスヘルメット・プロテクター付きジャケット・鉄板入りブーツ・メリケングローブを着用しており、不良達からは"鉄壁"や"全身凶器"と呼ばれている。"ケイオス"が町で最大規模のチームになっているのは彼の貢献による部分が多く、チーム内戦力の要となっている。

    「あ〜!何だ。帰るに帰れなかったのか?心配してたんだぜ〜?まさか病院送りにでもされたんじゃないかってなぁ?」

    2人に心配の声を掛けるナギだが、声を掛けられた2人の顔は恐怖に染まり小刻みに震えている。

    「んで、笠浜の奴らはどうだったよ?何人かブチのめして来いって言ったと思うんだが、その様子じゃ1人2人くらいしかブチのめせなかったか?」
    「あ…あの、それが…"Dクラッカー"のカレンって女とその連れの赤毛の女に全員やられてしまって…。」
    「……はぁ〜そうかぁ。得物持って10人で笠浜まで行って、たった2人にみすみすやられて来ましたってんじゃ帰るに帰れねぇわな。」

    ナギは顔を片手で覆いながらため息を吐いた次の瞬間…

    「制裁。」

    ドガッ!バキィッ!!
    ナギは3段警棒で手下達の顔を殴りつけた。

    「ギャアアア!」

    警棒で殴られた手下達は思わず悲鳴を上げてうずくまる。

    「やられたって割には元気に声が出るじゃねぇか?テメェらは少し殴られたってだけでスゴスゴと退散したってか?子犬か子猫じゃねぇんだぞ!ナメてんのか!?ウチじゃ負けは許されねぇんだよ!どんな手使ってでも勝つまでやるんだよ!チームの看板に泥を塗るつもりか、あぁっ!?」

    ナギは怒声を上げながらうずくまる2人に何度も警棒を叩き付ける。

    「う…うぅ…すいません…すいません…。」
    「その拳は飾りか?どうせ使わねぇ拳なら潰しても良いよなぁ?」

    ナギは手下の手首を足で押さえつけ警棒を振り上げる。

    「ヒィッ!それだけは!つ、次は必ず潰します!だから、勘弁して下さい!」
    「ほー、そうか。なら今回はこのくらいで勘弁してやる。いいか?ここじゃ強ぇ奴だけが偉いんだ。弱ぇ奴は地べたで這いつくばるしか出来ねぇんだよ、一生な。兵隊を増やしてやる。他の逃げた連中も集めてカレンと連れの赤毛を探し出して潰せ。出来なきゃ、テメェら全員制裁だぞ?」
    「は、はい!」

    2人はふらつきながら廃ビルを慌てて出ていった。
    "ケイオス"というチームの正式なメンバーは実質ナギとダイダラの2人だけだ。他のメンバーは全員抗争の末に2人の下に付いた不良達で構成されている。それ故に負けたり逃げたりしたメンバーはナギによる制裁が待っているという恐怖体制が敷かれ、勝つために手段を選ばない凶悪なチームとなっている。

    「忍野さん。その赤毛の女、面倒そうですね。それにDクラッカーはカレンだけでなく、ヒメとかいう新参者も厄介だとか。シルランも規模が小さくなったとはいえ、総長の聖良と親しい統流という男がやたら強いらしいです。あと杞憂かと思いますがチームから去ったOGの、"狂乱の乃恵留"や"爆乱の麗"の動きも気になる…。」
    「まぁ連中でもダメなら更に兵隊を増やしてやれば良い。何回返り討ちにしても、何度も攻められればいずれ限界が来る。それにウチにはお前もいる。オレらが負ける事は万に一つもあり得ねぇよ。奴らに勝つための手段は幾らでもある。どんなに強くたって守るモンが出来ちまったら途端に脆くなるからな。」

    ダイダラの意見に対してナギは不敵な笑みを浮かべる。近いうちに笠浜町で"ケイオス"による大きな抗争が起こるかもしれないが、その日がいつ来るのかは神のみぞ知る。
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