水曜日の夜から「俺、今日は早くねるから!」
俺がみんなにそう言ったのは、今から一時間も前だった。お風呂から上がって、部屋を暗くして布団に潜り込んだけど、なかなか寝付けなかった。
寝なくちゃ寝なくちゃと思えば思うほど眠れなくなって、ずっとお布団の中でぐるぐる考え事ばかりしていた。
とうとう諦めて、布団から這い出て机に向かった。なにか書ければ、こんな眠れない夜もまだましになるかもしれない。
ただ今日はなんにも思いつかなくて、俺はとうとう筆を放り投げた。それと同時に、控えめにノックされる。こんな時間に誰だろうとドアを開けると、南吉と賢治と未明が立っていた。みんな不思議そうな顔で俺を見る。
「起こしちゃったかな? ボク達、部屋からあかりが漏れていたから気になって」
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