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    かみま

    @kamima_iruka

    🌿同人:サークル名【クロタネソウ。】
    COMITIAを中心に、同人誌即売会イベントに参加中

    🌸商業:ネーム制作・演出の一部を担当
    comipo comics「誰ソ彼ホテル」「狐が僕を待っている」「才能無しと嗤われた男爵令嬢は魔王の腕の中で愛される」
    VIZ Media「Star Wars: The High Republic: The Edge of Balance, Vol. 4」

    📷趣味でミラーレス一眼をもち、いろいろ撮っています

    📖個人サイト https://info.kurotanesou.com
    🌳一次創作「アザミの森」 https://azaminomori.studio.site

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    POIPOI 38

    かみま

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    アザ森本編6話、同人誌限定エンド
    「作中では特に触れないけど、分かる人は『あッ!』ってなる匂わせアイテム」
    を、誰かさんに2つほど持たせています。

    #一次創作
    Original Creation
    #アザミの森

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    kumo72783924

    PROGRESS魁のパート。ビール飲んでる。
    流心〜ドイツ編〜魁1
     十一月のドイツは想像以上に寒く、訝しがりながら持ってきたダウンが大活躍だった。見るもの全てが痛いほど新鮮に映る中、隣で穏やかに微笑む恋人が旅の緊張を解してくれる。距離も時差も超えて、こうして二人並んで歩くだけでも、思い切ってここまで来て良かったと思うには十分だった。
     ターミナル駅からほど近いその店は、入口の様子からは想像出来ないほどに中は広く、何人もの客が酒とおしゃべりに興じていた。柱や梁は艶のあるダークブラウンで、木製のテーブルや椅子が落ち着いた雰囲気を醸し出している。ぐるりと店内を見渡したときに目を引くのは、なんと言っても大きなビール樽だろう。その樽から直接ビールが注がれたグラスをびっしりと乗せて、店員がお盆を手に店内を動き回っている。その様子に目を奪われていると、店員の一人から“ハロー”と声をかけられた。こちらもひとまず“ハロー”と返すと、何か質問を投げかけられたようだったが、生憎俺は返す言葉を持ち合わせていない。助けを求める間もなく楓吾が最初の注文を済ませ、席に着くなりビールが二つ運ばれてくると、ドイツに来て初めての食事が始まろうとしていた。ふと向かいに目をやれば、赤銅色に染まるグラスの向こうで楓吾が再び店員と何やら話している。ガヤガヤと騒がしい店内で異国の言葉を話す恋人は、まるで別人のようだ。ひょっとして、話す言語によって人格も多少は変わるのだろうか。俺の知らない楓吾の一面があるのだろうか……そんなことを考えながら二人のやり取りをぼんやり眺めていると、楓吾がこちらに向き直って言った。
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