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    ジュンあんが書きたい!の気持ちだけで勢いで書きました
    明日にでも消えるかもしれないです……

    ポイピク使ってみたかった(などと供述しており)

    ジュンあん 無題 きみに好きだと告げられた時、とっさに嘘だと思ったし、実際そんなような意味の言葉が口から飛び出した。あまりにも唐突で全く想像もしていない出来事に対する反射のようなもので、無意識下での発言だったから、正確な言葉は覚えていないけれど。でも、その何も考えられていない私の発言を受けて、ぎゅ、と眉根を寄せて不快だという気持ちを顕にした後、きみの放った言葉はよく覚えている。

    「……あぁ、そうですか。オレの言葉も気持ちも、あんたは信じられませんかねぇ。……でも、それならそれで燃えるってんですよ。これから嫌ってほど思い知らせて、その後絶対、あんたを振り向かせてみせますから。覚悟してて下さいねぇ〜?」

     挑戦的、と言うより最早、こちらを煽るような表情を見て直感的に、あぁ、喰われると思った。
     そう言えばきみのキャッチフレーズは「ワイルドハイエナ」だったっけ。さしずめ私はきみにとっての獲物ってところだろうか。ハイエナのことはそんなに詳しくないけれど、なんとなく、いちど定めた獲物は狩りつくすまで離さないイメージがあるから、ちょっとこわいなぁ、なんて。そんな呑気な気持ちで居られたのは、その後一週間程度のものだった。



     だって、と言い訳させて欲しい。私みたいなどこにでも居る平凡な女よりずっと魅力的な女性──アイドルや女優はもちろん、その他ヘアメイクやディレクターなども含めて──はきみの周りに溢れているはずで、日々仕事をこなす度にどんどん関わりは増えていく一方なはずで。たまたま一時的に私に目が向いただけで、そんなの気の迷いみたいなものだと思っていた。なのに。

     想いを告げられる前に交換した、それまで仕事以外で使った事のなかった連絡先からは、ほぼ毎日メッセージが届く。同年代かつアイドルが好きな者同士、興味関心は合うから、意外と話が弾んで、素直に楽しい。まぁそれは良いんだけれど……その合間で、お疲れさんです、まだ仕事ですか、無理し過ぎないで下さいね、みたいな、友達に送るにはちょっと甘いと言うか、どちらかと言えばより大切な人に送るような言葉が定期的に送られてくる。
     顔を合わせれば毎度のように、あんたが好きそうだと思って、とか、あんたに似合うと思って、とか言いながら、お菓子だのお花だの小物だのアクセサリーだのを渡してくる。もちろん、挨拶や労いの言葉も忘れずに付けて。お菓子やお花はまだしも、後に残るような物は遠慮したかったけれど、やんわり断ったら傷付いたような顔で、やっぱり駄目っすか、そしたら捨てるしかないですね、なんて言ってくるから断りづらい。だってそれ、普通に捨てていいような代物じゃないし……それ以上にその表情に弱い。認めたくないけれど。

     こんなの多分、同い年の異性の同僚への態度としては普通じゃなくて、勘違いさせるような言動は控えた方が良いよって何度も言いそうになった。
     でも以前の告白を踏まえれば、勘違いじゃないんだと思うから困る。し、そんな風に困っている自分にいちばん困っている。だって困るってことは、それはつまり、意識しては駄目だと意識してしまっているという事で。本当に認めたくない、なぁ。



    「そんなことだろうと思っていたけれど、やっぱりあんずちゃんは甘いね。ジュンくんはずっと──それこそもう何年も前からきみに想いを寄せてたんだから、そんなちょっとやそっとの他人との出会いで、その想いが揺らぐわけないね」

     あの子の諦めの悪さとまっすぐさ、それに思いの強さは、きみも知ってるでしょ。
     そう言って満足げに、自慢げに笑う彼の表情は慈愛に満ちていて、素直に魅力的だな、好きだな、さすがトップアイドルだなと思ったけれど。今は全然そんな場合じゃなくて。
     彼に話したのは、ちょっとした愚痴と言うか。さらっと聞き流してもらって、あわよくば注意してくれたりしないかな、なんて思っていた私がばかでした。一番の爆弾は、相談相手が持っていた。まぁ、きみの一番そばに居る相方なのだから、それも当然なのかもしれないけれど。
     だってそんなに長いこと想われていただなんて聞いてない。しらない。しりたくなかった。

     ずっと想いも言わずにうじうじうじうじしていて、そろそろ焦れった過ぎてどうしようかと思っていたけれど、この分なら案外すぐに決着がつくのかな?なんて。私にも聞こえる、と言うか聞かせるための独り言を言わないで欲しい。

     頬も耳もあつくて、あぁ、もう、本当にどうしようもない。
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