Knockin on heavens door.「たまにはちょっとした旅行とか、行ってみたいね」
オフが重なった穏やかな日の昼下がり、日当たりのいい部屋の柔らかなソファで暇だった二人は互いにゆったりとくつろぎながら雑誌のページを捲っていた。ボブはぺらり、と風景を切りとった写真集のページを捲る。
次々と移り変わる風景はボブの感情を煽った。美しい湖面、色鮮やかな木々、遊び踊る動物たち。普段ではなかなかお目にかかれない光景の奔流。職業柄そう遠く、長期的にどこかへ出かけることが出来ないからこそなのか、その思いは強かった。
「旅行? 」
ソファに埋もれるような格好で目的もなくただページをペラペラと捲っていたブラッドリーはオウム返しをしてボブを見やった。ボブはぺらりぺらりと数ページ捲った後、ブラッドリーをゆるりと見る。どうにも興味がわかない話題なのか、へぇ、と呟いただけのブラッドリーの気を引こうとボブは見ていたページを見せ、指をさす。
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