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    🅿︎🍑 赤ちゃん編🍑


    目が覚めると隣には…
    まだ髪が生えそろってない赤ちゃんが寝ていた

    ………。

    なぜか僕はこのシーンを知ってる
    きっとこの赤ちゃんはぴぃちゃんだ
    なぜだが分からないけど、きっとぴぃちゃんなことは分かる
    念のために確認したくても顔で首が埋もれてる
    触って平気なのか、僕が壊してしまうんじゃないか…そう思うと怖くて手を出せなかった

    そうだ!スマホ……………パシャ、カシャ…パシャ

    調べればいいんじゃないか!と思って手に取ったがまずは撮影会をした
    ぴぃちゃんだと思ってるからすでに可愛くて堪らない
    後頭部の禿げ具合や腕のむちむち具合も…ちぎりパン、なるほど
    赤ちゃんで検索かけて出てきた言葉に納得した
    こんな美味しそうなパンは食べるしかない
    あー…と口を開けた所でふと、本当にぴぃちゃんなのか?
    ………ぴぃちゃんじゃなかったら?え、無理なんだけど
    ぴぃちゃんだから食べたいだけで、知らない子なら食べたくないとハッキリした気持ちが働き冷静になる

    抱っこの仕方やご飯を見たけど…この子がいくつなのかも分からない
    たったの数ヶ月で出来ることが違いすぎる!
    首がすわる?腰がすわる?どういうこと?
    とにかく1人にしてはいけないという事だけが分かった
    ……でもトイレや水を飲みに行きたい
    ちょっとなら大丈夫かな?せめてトイレだけ
    起こさないようにソッと部屋から出て急いで用を済ませる

    …良かった、起きてない

    抱っこをして連れ歩かないと何も出来ないことが分かった
    首がすわってるか分からないから、頭をしっかり支えてお尻から背中を包むように抱く…出来るかな?
    いつ起きるかも分からないから、やるしかない
    大事にそっと、ゆっくり、優しく……抱っこ、出来た!
    次はどうしたら……待って、スマホ持てないじゃん!
    と、とにかくリビングに行こう!
    かすかな望みを込めてぴぃちゃんがいるかもしれないリビングへ向かおうとして絶望した
    ドアを閉めてしまったから開けれない
    赤ちゃんで両手塞がってるのに、どうやってドアノブを回すの?
    え…一旦置く?どうやって置くの?!
    頼みのスマホも持てない…

    「ぴぃちゃぁん…助けてぇ」

    どうする事も出来なくなり半泣きでぴぃちゃんを呼ぶと

    腕の中でモゾモゾ動く感覚があり目をやると、パチッと瞳を見せてくれた

    「あ……起きた?君はぴぃちゃん、だよね?」

    じーっと見つめられ、小さな手を伸ばしている
    手を握ってあげれないから、顔を寄せてみたらニコーッと笑ってくれた

    「か、可愛い!!」
    「たっ、た!」
    「なぁに?どうしたの?うわっ!?」

    急に足をバタつかせ仰け反るから凄くビックリした
    落としちゃいそうで急いでベッドの上に移動する

    「ね、寝かせてもいい?」

    返事は来るわけもなくてそっとベッドへ下ろすと、器用に寝返りをうって可愛いお尻を向けられる

    「あ、あー!!」

    パシパシと何かを訴えるようにベッドを叩いて声を出してる

    「ぴぃちゃんどうしたの?お腹すいた?」

    声をかけると振り返り僕を見つけてニコーッと笑う
    さっきからぴぃちゃんは僕をどうしたいんだろう?
    可愛過ぎておかしくなりそう…
    うんしょうんしょ。とこちらに方向転換して僕の方にハイハイみたいな動きで近くに来た
    小さい手が僕の足に触りそれだけでキュンキュンするのに、腕や胸あたりを掴みながら立ち上がって、できた!と言わんばかりのドヤ顔を近くで浴びた僕はもう骨抜き状態

    「すごいね!立てるの?…て、あれ?」

    僕の体を支えにしながら背中の方へ移動しているのが掴まれてる感覚で分かる
    見えないけど動いたらいけないことも察した

    「った……たっ」

    なにその可愛いかけ声
    全てを記録に残したいのに、スマホが手を伸ばせば届くのにあとちょっとが遠い
    ぴぃちゃんと呼んでるし思ってるけど、まだ確認は取れてないから早くホクロチェックしたいんだけどな…

    「……ばぁ!」

    反対側へ回り込み顔を覗かせながらそんな可愛いことをする
    そのまま足の上に手をついてもう一周したいのか、足によじ登ろうとしているのさえ可愛い
    お尻が重たくて登れないみたいで、まだ短い足を頑張ってあげようとするけど全然上がってないのが堪らなく愛しい
    あーもう!可愛い!

    「…ごめんね!」

    早く確信を持ちたくて、抱き上げてベッドに寝かせ首のほくろチェック…どこだろ?
    くすぐったいのか頭を振ったり、肩を上げてガードされる

    「ぅ…うー〜…」
    「え、あ!ご、ごめん!」

    悲しい声に顔をあげれば、目には涙が溢れていた
    折角遊んでたの邪魔されて、押し倒され首調べられたら怖いに決まってるじゃん!

    にぴぃちゃん、ごめんね!もうしないから!」
    「うっ…うっ…ぁぁあああん!やぁぁああああ!」
    「ごめんね。泣かないで…」

    抱っこして背中をトントンしようとしても、仰け反って暴れてしまう
    変な落ち方したら怖いからまたベッドへと下ろし、頭を撫でると、嫌だ、触らないで。と言うかのように頭を振るぴぃちゃんに僕も泣きそうになる

    「ぴぃちゃん、ごめんね。仲直りしたいんだ、ダメかな?」
    「ぁぁ、ぁあああああ……っやぁぁあ!」
    「…ぴぃちゃん」

    思ったらすぐ行動する癖をなんとかしなくちゃ…ぴぃちゃんの事だとつい体が動いちゃう
    でもそれはぴぃちゃんも嬉しくないかも知れない
    現にこの小さなぴぃちゃんがそうだ
    僕の自分勝手に付き合わされて泣いている
    きっとこの夢はそれを教えようとしてくれてるのかも
    そんな事を考えながら、うずくまるぴぃちゃんの背中を撫でてたらいつの間にか泣き声はしなくなっていた

    「ぴぃちゃん?」
    「…………」

    顔を近づけてみると、ふぅ…ふぅ…と息が聞こえる
    寝…てる?それとも体調悪いのかな?!
    確認したくてもさっき自分勝手は…と思ったばかりなのに……でも!本当に体調悪かったら大変!
    両脇に手を入れ抱き起こすと、涙と涎を垂らし寝ていた

    良かった…泣かせてごめんね
    袖でちょんちょんと拭き、鼻が詰まっちゃってるのか時々ぷぅぷぅと聞こえるのさえ可愛い
    寝ている間に改めて首を確認すると、あまりにも小さすぎるけど見つけた
    やっぱりぴぃちゃんだった
    ぴぃちゃんを泣かせてしまった申し訳なさに落ち込み赤くなった目元や鼻を見て僕も涙が出そうになる
    ごめんね。と抱きしめて頭を撫でていると、もぞもぞと動き始めた

    「ぴぃちゃん?」

    まだ眠いのか両手で目をこしこししてて、それもまた可愛くて可愛くて…気付いたらぴぃちゃんのほっぺにキスしていた

    「へへっ…あー、た」
    「ん?もう一回していいの?ちゅー♡」
    「きゃははっ!たっ!んっ!」

    どうしよう…ちゅっちゅっとキスする度に笑ってくれるのも可愛くて何回もキスしちゃう!
    するとぴぃちゃんが小さな手を伸ばして僕の顔を触り始めた
    その手が唇に触れると中へ遠慮なしに突っ込んでくる
    痛くはない、むしろ食べたいくらい

    「あはは、ぴぃちゃんの手食べちゃうよ?あーん」
    「あー」

    小さく口を開いて見せると指が舌を触る
    わぁ、小さい……!柔らかい…!
    ハッ!ぴぃちゃんの指をしっかり味わってしまった!
    無意識って怖い
    ……でも一度食べたら何回でも変わらないよね?
    そのままぴぃちゃんの手や腕も食む食むと柔らかさを楽しんでいたら、きゃはは!と笑ってくれた

    「うー!だっ!」
    「いたた。もうぴぃちゃんやったなー?」

    ぺちぺちとほっぺを叩かれたけど全然痛くない
    ぴぃちゃんは小さい頃から優しいんだなぁ♡

    「あー」

    今度はぴぃちゃんが口を開けた
    興味本位で指を入れてみるとパクッとされて柔らかい舌がちろちろと舐めるんだけど、それがくすぐったくて仕方ない

    「ふふ、僕の指美味しいのかな?」
    「んっぷ、ん……っだ!」
    「もういらないの?ほら〜、食べたくない?」

    指を左右に動かせば顔ごと追いかけ、そのまま口元に運べばまた、あー。と口を開けて待っている
    か、可愛すぎない?!

    「あはは!はい、どーぞ。美味しい?」
    「ん、っん!」

    ちゅぱちゅぱと音を立てながら一生懸命吸ってる
    …もしかしてお腹空いてるのかな?

    「ぴぃちゃん、お腹空いた?」
    「まっま!」
    「ふふ、ママじゃないよー」

    小さな手が首を掴み器用に横向きになるぴぃちゃん
    片腕に収まる小さい命が尊い
    落とさないようにもう片腕で包むように体を支えてキッチンへ向かう

    そういえば赤ちゃんって何食べるんだろう?

    ちゅぱ。と音を立てながら指をしゃぶっているぴぃちゃんに問いかけるけど当然答えは返ってこない
    冷蔵庫を開けると今のぴぃちゃんが食べられそうな物は何もなくて、ふと棚の中を調べたら不思議なことに9〜11ヶ月用のインスタントがいっぱい入っていた

    「わぁ、凄い…こんなに種類があるの?どれあげたら良いんだろう?ぴぃちゃん1個で足りるのかな?うわ…青汁みたいな色のもある…美味しいのかな?」
    「あー!」
    「ん?この青汁みたいなのがいいの?」
    「ぶーーーっ」
    「あはは、なぁにそれ?これは違うってことかな?じゃあ…あ!こっちのはどう?鮭しらすだって、ぴぃちゃんおさかなだよ」
    「……まっま!」
    「気に入った?じゃあこれにしようか」

    そこで気付いたのが、どうやって調理したらいいんだろう。ということ
    片手にずっと大人しくしててくれるとは限らないよね…ぴぃちゃんなら大丈夫かもしれない、でももしもで怪我させちゃったら……
    でもソファに座らせて待っててもらうのも落ちちゃうからダメだと脳が警告を鳴らす
    うーん…と悩んでいたら、ダイニングテーブルのぴぃちゃんの椅子が変わっていることに気付いた

    え?…なにこれ?赤ちゃん用の…椅子?

    僕の記憶の中でショッピングカートが浮かぶ
    足入れたら良いんだよね?
    ぴぃちゃんの脇下を掴んで座らせようと試みるが、泳いでるみたいに動いて全然足を通してくれない

    「ぴぃちゃんここに座るとご飯食べれるから、ね?」
    「う〜たったた!」
    「ん?お歌?えーと、そうだな…」

    小さい子用の歌なんてすぐには何も浮かばない
    もふもふえんの子達が出てた番組で…あ!

    「大きなくりの木の下で〜♪」
    「!」

    歌い始めると、にま〜!と笑うぴぃちゃんが可愛い
    キャッキャ!と足が動くけど、たまにピンと伸びるのが分かってタイミングを見て椅子に突っ込む
    …よし!無事座らせることが出来た

    「な、た、たっ!」
    「ご飯の準備するから待っててね?」
    「ぶーー」
    「あはは、それ面白いね」

    ベルトをしたら、ぶーってされたから嫌だったみたい
    でも多分しないと落ちちゃうよね?
    ちょっとだけ離れて様子を見ると、動けないみたいでなんとなく不満そうな顔をしていた
    ずっと眺めていたいけど、ご飯の準備してあげないと

    えっと………ん?温めたりしなくていいの?

    蓋を開けてみれば意外と美味しそう
    お粥に近い?小さいスプーン…デザート用でいいかな?
    引き出しを開けると見たことのないスプーンが入っていた
    シリコンで出来てて赤ちゃんの絵が付いてる
    分かりやすい…これを使ってってことだね
    あとは飲み物もいるかな?
    もう一度冷蔵庫を開けるとさっきは無かったはずの紙パックがある
    ……うん、何も考えないことにしよう
    ご飯とシリコンのスプーン、りんごジュースを持ってぴぃちゃんの所に行くと僕の手元を見て、にんま〜!と嬉しいが溢れる顔になる
    もう〜!!そんな可愛い顔するならムービーに残したかった!
    ぴぃちゃんは赤ちゃんの頃から食べるの好きなんだね

    「あー!」
    「ふふ、すぐあげるから待ってね」
    「あー、あー!」

    大きな口を開けて待つぴぃちゃんの隣に椅子を持ってきて、ご飯を掬い口へ運ぶ
    パクッと食べてくれた!可愛い!
    もぐもぐとほっぺが動いてまた口を開けて待ってる

    「はい、あーん」
    「んっ」

    あ、ちょっと多かったみたい
    閉じた口の両端からご飯が溢れちゃった
    指で拭き取り食べてみる
    味薄くない!?これでいいのかな?と思ってたら視線を感じ顔を上げると、僕のご飯食べた…と言わんばかりに見つめられていた

    「ごめんごめん!はい、ぴぃちゃんあーん?」
    「はむっ」
    「ぴぃちゃん美味しい?」

    そう聞くと自分のほっぺをペチペチしてた
    美味しいってことかな?
    何をしても可愛いしか浮かばなくて、僕はだらしない顔をしてると思う
    その後もぴぃちゃんはもぐもぐとご飯を食べてくれて、あっという間に空っぽになった

    「あー」
    「ごめんねぴぃちゃん。これもう中入ってないんだ」

    ほらね?と中を見せれば手を掴まれカップを取られた

    「ぴぃちゃん!?」
    「ん、んっ」

    顔を突っ込むようにして中を舐めてるみたい
    そんなにお腹空いてるならもう一個あげた方がいいよね?と思い、おかわりを求めて棚へ行くと中には何も入っていなかった
    …なるほど、食べさせちゃダメってことかな
    仕方なく椅子へ戻るとカップが綺麗になるかわりに、ぴぃちゃんの顔は所々汚れていた

    「ふふ、もう食いしん坊さんだなぁ。お顔拭くからこっち向いて?」
    「やぁ」
    「ぴぃちゃ〜ん、お米でカピカピになっちゃうよ?」
    「ぶー」

    拭こうとすると反対を向くぴぃちゃんと戦いながら、ようやく綺麗に出来た時にはあからさまにムスッとしたお顔になってた

    「ふ、ふふ…ごめんねぴぃちゃん。あ、ジュース飲む?」
    「!あー!」
    「うん、飲みたいんだね。ちょっと待ってね」

    ジュースを見せれば目を輝かせて、早く早く!とパシパシ机を叩いてアピールしてる
    ストローをさして渡すと、小さい手がパックをむんぎゅ!と掴み噴水のように飛び出しぴぃちゃんの顔を直撃した
    何が起こったか分からない顔をしていたぴぃちゃんはへの字口になりポロポロと涙が流れ始める

    「…ふ、ふぁぁあああああ"!!!!」
    「だ、大丈夫ぴぃちゃん!?」

    ジュースだからベタついちゃう!早く拭いてあげなくちゃ!
    テーブルに現れたウェットティッシュで綺麗にしていくけど、涙は止まらないみたい

    「うわあぁぁあああんっ!」
    「ぴぃちゃんほら、ジュースだよ?飲まないの?」
    「やぁあああん!」

    泣き止んでほしくてジュースを見せるけど…多分見えてない
    ベルトを外して抱っこを試みると、ぴぃちゃんから抱っこを強請るように両手を伸ばしてきた
    何それ可愛い!と思いながらも抱き上げて背中をトントンしてみるとちょっと落ち着いた様子

    「ひっぐ……ふぅ……」
    「よしよし…ジュースどうする?」
    「…ぐすっ……ぁ-」

    もうずっと可愛いのに、また可愛いが増えた
    ビックリはしたけど飲みたいらしく、小さくあーって言うんだもん
    ストローを口元に持って行くと、パックを掴もうとする

    「ぴぃちゃん、そこ持ったらまたジュース飛び出ちゃうよ?」
    「やぁぁあ!」
    「持っててあげるから飲んでいいよ?」
    「やぁああああ!」
    「ぴぃちゃぁん…どうしよう」
    「やぁああああああ!!」
    「…ふふ、ぴぃちゃんはいつからこんなに怒りん坊さんになったのかな?」
    「うぁぁああああん!!!」

    どうやってあげようかなと悩みながら話しかける
    ぴぃちゃんは目の前にジュースがあるのに飲ませてもらえないから怒ってるみたいで、さっきも見た不満そうな顔をしていた
    その顔も可愛すぎるんだけどね
    うーん、と考えて思い付いた!

    「はい、ぴぃちゃん。どーぞ」
    「……んっ…ん、………」

    やった!怒らずに飲んでくれた!
    パックの側面を包むように持ってストローを差し出したら、ぴぃちゃんは僕の手を掴むしかない
    小さい手が離すまいと握って一生懸命にちゅうちゅう吸ってるのが可愛い
    その可愛いぴぃちゃんを間近で見てニヤニヤが止まらないのはしょうがないよね
    パックが凹む勢いで飲み進め、吸えなくなったのかようやく口が離れると、ジュババババと空気を取り込む凄い音がした
    掃除機並みの吸引力…と頭に浮かぶ
    空気が入り膨らんだパックを振るとまだ入ってる音がする
    もっと。と手を伸ばし飲もうとしているぴぃちゃんの口に再びストローを宛てがえば、先ほど見た光景が行われた

    「ぴぃちゃん、それ飲めてる?」
    「…んく……っん……」

    声、なのかな?とても小さいけど可愛い声が頑張ってるのを教えてくれる
    また空気の入る音が鳴り、振ればほんの少〜し残ってそう
    パックを傾けストローを斜めに入れ、ぢゅっ。と吸えば甘いりんご味が口の中に広がり、ぴぃちゃんの悲しそうな瞳がこちらを見ていた

    「あ…ごめんね?でももう入ってないよ?」

    今度こそ何も音がしないのをぴぃちゃんにも教えると、それでも欲しいと手を伸ばすからパックを渡してみる

    「………、……。」

    ガジガジとストローを噛み始めた

    「………だっ!」
    「ふ、ふふふ…ぺったんこにしちゃったの?」

    渡されたパックには役割を果たせないほどに潰されたストローが刺さっていて、やってやったぜ!と得意げなぴぃちゃんの顔がまた堪らなく愛しい
    不意に、ぴぃちゃんが家庭を持って子供が出来たならきっと…こんな天使みたいな子が産まれたんだろうなぁ。なんてちょっとセンチメンタルな気持ちになってたら、何故かぴぃちゃんが眉を下げて切ない顔をしていた

    「ん?ぴぃちゃんどうしたの?」
    「……、…」

    顔を寄せてふにふにとほっぺを触ってたら、小さな手が伸びて僕の顔を撫でた

    「……ふふ、やっぱりぴぃちゃんはぴぃちゃんなんだね」

    首に顔を擦り付けてきてくすぐったい
    小さいぴぃちゃんは背中をトントンとしたくなる不思議
    顔を覗けば、ふわぁぁあ。と小さな口が大きなあくびをしていた

    「ぴぃちゃん眠い?」
    「………ん…………」

    あ、もう瞼が落ちそう
    とろんとした表情で焦点はどこにも定まってないのが分かるくらい
    実は大人のぴぃちゃんもお昼過ぎにこういう顔をする時がある
    頑張ってパソコンと睨めっこしてるけど、絶対眠いんだなって分かるからブラックコーヒーを淹れてあげると、よく分かりましたね。って笑ってくれるんだ
    でも赤ちゃんぴぃちゃんは本能のままにスヤァと眠ってしまった
    ぷぅ…すぅ…と時々可愛い音を鳴らしながら、気持ち良さそうに眠るぴぃちゃんをベッドへ運び寝かせようとすると

    「ふ、ぇ…」
    「!?」

    抱っこすると泣き止み、寝かそうとすると泣きそうになっちゃう
    少し腕が疲れてきた…どうしよう。とベッドに座り考えているとぴぃちゃんの温かさに僕も眠たくなってきた

    「ぴぃちゃん、僕も寝ていいかな?」
    「………………」

    腕の中で眠るぴぃちゃんはとても気持ち良さそうな寝顔で、ずっと見ていたいくらい癒される
    ふわぁ。とあくびが出て、僕もそろそろ限界
    ゆっくり、そっと、慎重に寝かせるとちょっと悲しそうな顔だけど隣に寝転がりポンポンとお腹を撫でていたら落ち着いたみたい
    そのままぴぃちゃんの頭に顔を寄せるといつもの匂いがして落ち着く



    あ、頭を撫でられてる
    …ああ、この手はぴぃちゃんだ
    ぴぃちゃんに会いたいな…


    「………ん…」
    「百々人くん、おはようございます」
    「…、…ぴぃ、ちゃん」
    「もう少し寝ますか?」
    「…ぴぃちゃん……いっぱい、食べたね」
    「ふふ、美味しい夢でしたか?」
    「すと、ろー…ぺったん」
    「ん?」
    「ち…りぱ、ん…」
    「???」
    「スゥ……スゥ……」
    「百々人くん?」


    ぴぃちゃんに謎の言葉を残して二度寝した僕はお昼前までぐっすり寝てしまったらしい

    「って言ってました」
    「えーー!?全然記憶ないよ?!」
    「ふふ、言ってすぐ寝ちゃいましたからね。どんな夢見てたんでしょう?」
    「なんだったんだろう?全然覚えてない…けど、ぴぃちゃんの夢だったんだろうな」
    「夢にまでお邪魔しちゃいましたね」
    「もっと出て良いんだよ?」

    夢の内容も覚えてないけど、もう一度会いたいなという気持ちが残っていた
    いつかまた会えるかな?
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