何度でもほしくなる【何度でもほしくなる】
非番の日。いつもなら暇を持て余すということはない…のだが、俺こと豊前江はその日、珍しく何もせずに自室の畳に寝転がり、天井の木目を眺めていた。
しかしただ眺めているだけではない。眺めてはいるが、頭はあることでいっぱいいっぱいなのである。
「はあ…」
単純だが、しかし深刻な問題だ。正直に言うと、今すぐにでもこのもやもやを吹っ飛ばしたい。
だがこれは難しい問題…いや、難しくはないのだが、今の俺にとっては難しい。
おい、心の中の桑名よ。「なんなん!?」と言うのはやめてもらおうか。俺にだって悩むときはあるんだ。顕現してから悩みという悩みを持ったことはなかったのだが。
しかし、どうしても良案が思いつかない。
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