君には愛を...一虎side
「じゃあまた頼んだぞ!一虎!」
放課後のファストフード店前。
「あ…でも…今月もうお小遣い厳しくて…」
小学生の時からの”友達”に今日も金を貸す。返ってきたことなんて1回も無いけど
「なーんだよ。そんなん親の財布から抜いてくりゃいいだろ?」
肩を組まれ凄まれる
「えっと…」
俺の家は母子家庭。母は家を守るために一生懸命働いてくれている。とてもじゃないけどそんなこと出来ない
「一虎、俺ら”トモダチ”だろ?”トモダチ”のお願いなら聞いてくれるよな?」
「そう…だけど…」
そうだ。”トモダチ”だ。こんな奴でも一緒にいないと1人になる。
「たいそうな”トモダチ”だな」
右隣から低い声が聞こえた
隣を見ると黒髪のロングヘアに毛先の方だけ金髪の変わった髪型で目つきの悪いガラの悪い奴がケータイをいじっていた
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