無題。ダルスがジャスティスの異変に気づいたのは、昼過ぎだった。
もともと彼は予定がなければ昼過ぎまで寝ているタイプで、それでも毎日起きてきて昼飯は食べていたから、誘いに行ったのだ。そうしたら、布団の中で苦しそうにしていたものだから、心臓が止まるかと思った。
手を当てた首筋は熱く汗ばんでいて、ひどい熱が出ているらしいことは解る。大慌てで桶に水を汲んできて、タオルを絞って顔と首元を拭いてやると、うっすらと目を開いた。
「すまん」
掠れた声が、ぽつりと溢れる。いつもの彼からは想像できないほど弱りきった声だった。続けて咳き込んだ喉が辛そうだ。
起きあがらせるのが忍びなくて、コップに汲んだ水を煽って唇を重ねた。ゆっくり落としてやると、うまそうに嚥下する。
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