夜のあと※カインEOSTのネタバレと色んな捏造が、あるぞ!
どこか気怠さを孕んだ、けたたましい足音が聞こえる。友の足運びとしては珍しく乱雑だが、品をかなぐり捨てたそれはどこか懐かしくもあった。
「――、ただいま」
「ああ、おかえり」
手にしていた携帯電話を置くと同時。がたん、と大仰な音を立てて扉が開いた。昼間、どこぞの暴徒が押し寄せた時とほとんど同じ轟音に思わず蝶番を眺める。俺の憂鬱を知ってか知らずか、疲れた顔をした親友はとどめといわんばかりに足で扉を閉めに掛かった。それなりの蹴りを受けて閉まった扉は文句の一つも上げない。大金をかけて建てた邸宅だけある、頑丈さは家主譲りのようだ。
「荒れているな」
「それはもう、寝ずに一週間働いたような気分だよ。疲れた、その一言に尽きる」
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