令嬢モノを書くつもりが王子様目線のお話になりました「サトル王子!お誕生日おめでとうございます!」
「容姿端麗、頭脳明晰!次期国王があなた様のようなお方で、この国は安泰ですなぁ!」
「サトル王子万歳!!サトル王子万歳!!」
(大の大人が、俺みたいなガキのご機嫌取りに躍起になってる。こんなパーティーなんて、クソつまんねーしクソ下らねー。)
そう思って、俺は馬鹿みてーに派手でアホみてーに広い会場からこっそり抜け出した。
今日のパーティーの名目は、この国の王位継承権第一位である俺の誕生会。朝早くから忙しくて、たまったもんじゃない。
お付きの者の目を盗み、警備の人間を撒くことなど朝飯前で、俺はあっと言う間に明るい陽が差し込む中庭へと出た。今頃主役がいなくなって、会場は上を下への大騒ぎだろう。
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