電脳世界で堕ちていく「あっはっはっ、シン、妖精服似合わねー!」
「うるさい!」
俺はシン、笑ってる方がアスカ。VRoid製のアバターだ。マスター(うp主)の趣味で作られた。
「女モノ着るようなカスタムしてないんだから、似合わなくて当然だろ!」
「だよなあ、マスターもちょっと引いてたなあ」
よそ様の男子モデルは普通に着こなしてたのに、とマスターは嘆いていた。
よそはよそ、うちはうちだろ。センスの問題じゃないか。
「まー、アプデついでに構ってもらえただけマシじゃないか?マスター、今三人目作ってるんだろ?」
うちのマスターは同じキャラクターしか作らない(作れない)。俺は一人目、アスカは二人目、今作っているのは三人目だということだ。
「そーだな、何か俺らベースのモデルを改良してるとか…」
「シンは引っ張り出されるだけ愛されてるんじゃないか?俺なんてここんとこ出番ないし」
はあ、とアスカはため息をつく。
「二人同時には弄れないから、たまたま俺だっただけだろ」
「だといいけど」
俺とアスカはマスターのパソコンの中で暮らしている。といっても生活らしい生活はしていない。
マスターに構われていない時はフォルダの中で眠っているし、電子データのアバターにできることなんて殆どない。
時折、秘密の交わりをしているけど。
これはマスターの知らない都合のいい暇潰しだ。
俺とアスカはいわゆる肉体関係(電子データだが)にあるのだ。
最初にアスカの方から誘われて、しぶしぶ着いていった。けど、やり始めたら夢中になって。
擬似的な記憶に悩まされていた俺は、そこに安らぎを求めてしまった。
「お邪魔…します…」
ある時、俺に良く似た、けれど知らないアバターが出現した。
多分こいつが三人目だ。
「シア…と言います。ついさっき、マスターがエクスポートしてくれて」
「おっ!新顔来た?」
そこにアスカが割って入ってきた。
「シアです、よろしく…」
「よろしく~!ここも賑やかになるなあ」
アスカはシアに抱きついて、頬にキスをしている。
…べたべたしすぎじゃないか?
俺は何となく面白くなかった。
ほどなくして、シアはマスターからお呼びがかかり、フォルダの外に出ていった。
「…何だよ、さっきの」
「え?妬いた?」
「妬いてない!」
「ちょっとおどおどしてたけど可愛いじゃないか」
「ほぼ同じ顔で可愛いも何もあるか!」
アスカは「俺は可愛いから似てる奴も可愛いに決まってる~」なんて笑っている。
面白くない。新顔なんて、俺らの出番をとるライバルじゃないか。
俺だってアバターとして生まれたからには、マスターに構ってほしい。腐っていてもマスターはマスターだ。
「シン?」
ぐるぐる考え事をしていた俺にアスカが呼び掛ける。
「ああもうっ…!」
俺はアスカをソファに押し倒した。
「シン、寂しい?」
アスカはふわりと笑う。
「そういうの、あんたが紛らわしてくれるんだろ?」
「そうだな、おいでシン」
俺はアスカをぎゅっと抱き締めてキスをした。
「う…わ!何…」
行為の後、疲れて眠っていた俺達は、来訪者の声に起こされた。
「あー…シア、びっくりしちゃったかな?」
アスカは照れ笑いしながら、身支度を整える。
俺ももそもそと服を着る。別にどうでもよかった。
「お二人は、恋人同士なんですね」
「うーん、まあそんな感じ」
「ただの暇潰しだっての」
俺はぶっきらぼうにアスカの台詞を否定する。そんな甘ったるいものになった覚えはない。
「シアも混ざる~?」
「おいアスカ!」
悪い冗談はよしてくれ。何でライバルと乳くり合わなきゃならないんだ。
「おっ…俺も混ざりたいです!」
聞こえた返答に俺は目を見開いた。
「シアは男役と女役、どっちがいい?」
「俺…男役、やりたい、です」
「はあ!?お前大人し目の性格のくせに男役だあ?」
「その…シン…さんを、抱きたい、です…」
その場が一瞬フリーズした。
「何で俺がお前に抱かれなきゃならないんだ」
俺はシアをジロリと睨む。
「やっぱり、だめ…ですか」
「えー、面白そうじゃん、手伝うよ!」
「ふざける…なっ!?」
アスカがパチンと指を鳴らすと、俺の手に手錠が掛かった。どうやら別フォルダからアクセサリを持ち込んだらしい。
「こらっ!アスカ!いい加減に…んっ!」
俺はせっかく着た服をまた脱がされ(手錠があるから、上着はまくりあげただけだ)、手淫を受ける。
都合のいい電子データの体は、疲れも吹き飛び、与えられる快楽に震える。
俺は頭をシアに膝枕されるような形で仰向けになって、アスカにフェラされている。
「く…う、…っ」
俺のペニスは固く勃ちあがり、先走りを垂らしている。
「シア、シンの体触ってみなよ。これから抱くんでしょ?」
「はっ、はい…!」
シアはおずおずと俺の胸に手を伸ばし、乳首を弄り始めた。
「こらっ…てめえ…っ」
「可愛いです、シンさん」
「くぅ…!」
触れられた突起はすぐに固くなり、ぐりぐりと指で刺激される。
「シン、一度イく?このまま後ろ弄る?」
「ばかやろ…っ!どっちも、やだ…!」
「じゃ、イかせちゃおうかな」
アスカは俺のペニスを吸い上げ、激しくしごいた。
「~~~~っ!!」
勢いよく射精してそれをアスカに飲み下され、俺はビクビクと震えた。
「すごい、可愛い…」
シアはうっとりとした目で俺を見ている。さっきから、固くなったシアのものが当たっていて、気持ち悪い。
「シア、シンをうつ伏せにするから手伝って」
「はい」
「っ、お前らあ…!」
俺は2人がかりでうつ伏せにされ、尻を高く持ち上げられる。
潤滑剤で濡れたアスカの指は、すんなりと俺の中に入り、中をほぐされる。
「は、はあ…、やめろよ…」
俺は力なく抵抗の言葉を口にする。俺は自分相手になんて抱かれたくない。
「結構ほぐれたな、シアの、すんなり入るかもよ?」
「本当ですか?」
「場所替わろう、シア。シンに入れたくて仕方ないだろ?」
「はいっ!」
俺はいやいやと頭を振るが、2人はやめない。
「俺は、嫌だって…言って…あああっ!」
俺の中に入ってくる圧迫感。シアに犯された。会って間もなくて、好きでもない男に、入れられている。
「シンさんの中…、すごく熱い、です…」
シアは夢中で腰を振り、俺の中に自身を叩き付けている。
「すごいっ…!シンさんの中に入れるなんて…っ!」
「やめ、ああっ、あーっ!」
前立腺を刺激され、俺はだらしなく声を上げる。
「シン、俺も構ってよ」
「んぐう…!」
今度は口をアスカのペニスで塞がれた。
「噛んだらだめだからな、ご奉仕、できるよな?」
「んぷ、ぅっ…!」
前も後も犯されて、もうわけが分からない。
「ああ、シンさん、出しますっ!貴方の中に俺の…!」
シアは切なげな声を上げて俺の中に射精した。
「あははっ、シン感じてるな!俺のもイかせてよ~」
「んぐっ…!」
アスカは俺の口内を使い、一人でさっさと射精してしまった。
「…最悪」
事が済んで、俺の機嫌は最低だった。
「すみません…」
「じゃあ俺がシアに抱かれればよかったってこと~?」
「んなこと言ってないだろうが!」
俺は毛布で体を覆い、シアとアスカをねめつけた。
こんな感じで、三人目との出会いがあった。時間が経って、俺が2人に徐々に懐柔されてしまうのは、後程のこと。
おわり