嘘吐き生者 今まで破壊したいものは全て破壊してきた。
この刃で全てを破壊してきた。
建物や工具、あるいは数人の人間の姿が次々と思い起こされていく。
脳裏にそれらを壊しているときの記憶がまざまざと蘇っていく。
切り倒したもの、薙ぎ倒したもの、殴り倒したもの…。
まるで走馬灯だ。
そう思ったとき、うつらうつらとしていたジグソーの意識が急速に浮上した。
走馬灯だと?
死ぬ間際に見るようなものをどうして小生が見なければいけないのだ。
意識が怒りで塗り替えられていく。
あの狐だか工具だかよく分からない奴。あんな奴に負けたなど全くあり得ない。
意識が途切れる最後、攻撃を受けた腹が痛んだ。
手足は冷たいのに腹だけは熱を持っている。
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