続・稲妻のハロウィン「いたずらか、それとも菓子か!」
裟羅が離島広場に着くと、屋台がにぎわい、妖怪に扮した人々の掛け声が響いていた。
この祭りは去年八重堂が社奉行と提携して催したものだ。異国の風習を稲妻風にアレンジしたもので、人々は妖怪に仮装し、この掛け声で菓子を交換するのだ。
しかし広場のあちこちで聞こえる掛け声は、裟羅にとっては少し困った思い出でもある。
去年、神子にはめられ仮装させられた裟羅は、その姿を将軍様に見られてしまったのだ。裟羅が祭りに参加していると勘違いした将軍様が裟羅に例の掛け声をしたため、菓子の手持ちがない裟羅は多いに焦ったのだ。
物珍しさに加え、裟羅の仮装と将軍様の参加が噂になったこともあり、次年の開催を求める声が多くあがった。
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