「ぐんそーはサプライズとかするタイプ?」
お決まりのクリスマスソングとどこか浮足立った人々の会話をBGMに、前世からの腐れ縁である学友が出し抜けに口を開く。
「なんだ杉元やぶから棒に」
「いや、だってそういう時期じゃん」
私の誕生日とクリスマスがまとめてやってくる“そういう時期”。
杉元が珍しく「今日は奢るぜ」なんて言うので、ふたり、学食で日替わりランチをかきこんでいた。
食べるのが早い杉元の皿はすでにピカピカで、食後のデザート代わりの雑談といったところだろう。
「月島はそんなまどろっこしいことはしない」
「ふーん、まぁなんとなくわかるけど。たまにはいいもんだぜ」
「そういうもんか」
「そういうもんよ。食い終わったんなら早く帰ろうぜ。どうせ今日もぐんそーと会うんだろ?」
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