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    mori_nmm

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    mori_nmm

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    短編集『Fの蒐集』のちょっとした裏話とか、あとがき的なものです

    ライナーノーツ(Fの蒐集)■キノコ番の男
    だいぶ前から温めていたネタでした。不思議の国のアリスに出てくる芋虫がモチーフです。個人的に芋虫~蛹~蝶となる過程が好き。そしてあの飄々とした感じはトレイにも似合うなと思っていたのと、どうしても彼が煙草を吸っている姿が見てみたかったのです。ふだん他者に見せている彼の姿とキノコ番をしている誰も知らない彼の姿。ヤバいキノコが寄生している芋虫(本当に?)の不気味さ。それに本能的な気持ち悪さを感じながらも、好奇心旺盛なジェイドが関心を持つ様をじめじめと書いてみました。唐突な胸のドキドキは恋と勘違いするそうですし、この2人がくっつくのも時間の問題ですね。

    ■甘やかなてのひら
    1話目と異なりすでにできてる2人です。キラキラした午後のデートにぶちかますジェイドの突拍子もない言葉は、まあ、ありそうですよね。トレイの頭から転がって割れたウズラの卵はハンプティダンプティです。割れた卵が元に戻らないように、ジェイドの首を絞めて笑ったトレイはもう、普通ではいられません。それを誘導したのは、紛れもなくジェイドなのですが悪びれもないですね。彼はもとよりトレイを普通ではないと思っていますから、内なるそれを引きずり出したぐらいにしか思ってません。トレイの涙はびっくり泣き半分、興奮半分です。

    ■コッペリアは窓から飛んだ
    プロットの段階では、優しい結末になる話ではありませんでした。コッペリアはバレエの演目に出てくるお人形の名前です。心を手に入れて踊りだします(正確には人と入れ替わっているだけですが)。本当は題名どおり「僕がいるからいらないですよね」と人形を窓から投げ捨てる予定でしたが、表紙を飾る人形作家さんの個展を拝見し、あの美しい空間に影響され物語が変わりました。本当に神聖な美しい光景でした、何回か通いました。ちなみに表紙の足は私物です。お写真の許可いただき献本もさせていただいたのですが、人形の骨壺という発想が偶然にも重なった事例があったそうで、じんわりしました。

    ■MySweetCandyHouse
    性格の悪いトジェの話です。ま、彼らはヴィランなのでいいのです。モブの理想とはほど遠いジェイドをトレイと我々(笑)は知っていますが、物語の人物である彼だけは知らないのが滑稽で書いてて楽しかったです。食い荒らされたお菓子の家は、モブの考える虚構のジェイドそのもの。ドールハウスは崩壊し、現実のジェイドはトレイに食われているわけです。校正をしてくれた友人が「このモブNTRとかに目覚めなければいいね」と言っていたのが印象的です。とんでもない癖を植え付けるねトジェは。ははは。

    ■お砂糖とスパイス
    私は想像妊娠からの埋葬が癖です。いくらでも欲しいですお願いします助かる命があるんです。と、それはさておき、静かに狂っていくジェイドが食べていた実は、柘榴を除きすべてバラ科で若いものには毒性があります。明記しませんでしたが、彼は毒を口にしては嘔吐し、それを流れたと考えていました。ちなみに孕んだきっかけである苺もバラ科です。タイトルはマザーグースの1節「女の子はお砂糖とスパイスと素敵な何かで出来ている」からです。彼らの子は最後プラムプディングとなって埋葬されます。もし興味が湧きましたら、どうぞ作り方を調べてみてください。なんとも言えない気分になるかもしれません。
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    mori_nmm

    SPOILER短編集『Fの蒐集』のちょっとした裏話とか、あとがき的なものです
    ライナーノーツ(Fの蒐集)■キノコ番の男
    だいぶ前から温めていたネタでした。不思議の国のアリスに出てくる芋虫がモチーフです。個人的に芋虫~蛹~蝶となる過程が好き。そしてあの飄々とした感じはトレイにも似合うなと思っていたのと、どうしても彼が煙草を吸っている姿が見てみたかったのです。ふだん他者に見せている彼の姿とキノコ番をしている誰も知らない彼の姿。ヤバいキノコが寄生している芋虫(本当に?)の不気味さ。それに本能的な気持ち悪さを感じながらも、好奇心旺盛なジェイドが関心を持つ様をじめじめと書いてみました。唐突な胸のドキドキは恋と勘違いするそうですし、この2人がくっつくのも時間の問題ですね。

    ■甘やかなてのひら
    1話目と異なりすでにできてる2人です。キラキラした午後のデートにぶちかますジェイドの突拍子もない言葉は、まあ、ありそうですよね。トレイの頭から転がって割れたウズラの卵はハンプティダンプティです。割れた卵が元に戻らないように、ジェイドの首を絞めて笑ったトレイはもう、普通ではいられません。それを誘導したのは、紛れもなくジェイドなのですが悪びれもないですね。彼はもとよりトレイを普通ではないと思っていますから、内なるそれを引きずり出したぐらいにしか思ってません。トレイの涙はびっくり泣き半分、興奮半分です。
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