彼との距離は、一歩ずつ いつものお茶会でのことだ。
以前のようにランス、フィン、レモンが所用で遅れるというので、ドットは一足先に三〇二号室を訪れていた。
扉を開けると、そこにいたのはいつもどおり筋トレに勤しむマッシュ——ではなく。
「……はぁー……」
部屋中の空気が重たく感じるほど凹んだ様子のマッシュだった。
どこからどう見ても落ち込んでいます。元気がないです。
そういったジメジメしたオーラを放つマッシュに、ドットは思わず引いた顔をした。
「うわっ、めんどくせー感じになってっけど大丈夫か? お前」
「大丈夫じゃない……」
ズーンと沈んだ顔でうつむく彼は、頭からキノコでも生えてきそうな落ち込みようだ。それにドットはため息を吐くと、「ちょっと待ってろ」と言って席を立つ。
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