ぺーじゅんは単純かわいい5月のとある夜、ラウンジにて。幾月と順平しかいない静かな空間。順平はぼーっとソファーでマンガを読み、幾月はコーヒーを嗜んでいる。
幾月:……(順平を見つめている)
幾月:伊織くん(突然口を開かせて)
順平:へ?(少し驚きつつも、マンガから視線を外す)
幾月:君は本当にすごいね。
順平:は……はぁ?急になんすか?
幾月:君の頑張りだよ。最近、すっごく頑張ってくれてるじゃないか。
順平:頑張り……?
幾月:最近誰が一番シャドウを倒しているか知ってるかい?
順平:さぁ……?どうせマコトじゃないんスか?アイツ、すんげー才能あるし……
幾月:確かに彼は変わった力を持っている。でもね……違うんだよ。一番頑張っていて、一番シャドウを倒してくれてるのは君……伊織くんなんだよ。
順平:オレ!?
幾月:そうさ、君だよ。僕は気づいているからね、一番貢献してくれていること。
順平:う、うっす……(照れくさそうに頭を搔く)
幾月:それにね、僕も桐条くん達も助かってるんだ、君の力があればもっとスムーズに計画を進められるって。
順平:へへ……!(褒められてちょっと嬉しそうにする)
幾月:僕は君を高く買ってる。この特別課外活動部にとってももちろん、僕にとっても……誰よりも一番特別で、唯一無二の存在なんだ。
順平:オレは特別……誰よりも一番……(復唱するようにぼそりとつぶやくと、ぱあっと笑顔になっては)
順平:やっぱ……やっぱり……やっぱそうっすよね!オレはペルソナ使いの世界を守るヒーローっスもん!!そりゃ、誰よりも一番上手くやってないとオカシイっスよ!!
幾月:うん、そうだね。君はヒーローで、すごく輝いている。
順平:へへっ……
幾月:でも、ヒーローならもっと強くならなきゃね。
順平:……っ!はい!!もちろんです!!
幾月:期待しているよ、君の頑張りをね。
順平:任せてください!!このヒーロー、順平に!!
幾月:……(小さく笑顔作っている)
幾月:(本当にめでたい頭で助かるよ。どんな言葉でもまっすぐにに受け止めて、言葉の裏なんて考えもしない。)
幾月:(もちろん全部嘘だよ。君なんてハナから期待はしていないし、特別とすらも思っていない。誰よりもシャドウなんて倒せてない落ちこぼれで、足すら引っ張ってる。やっぱり学力が低いからかなぁ……)
幾月:(やっぱり一番の特別は結城くん……彼のためにもこの特別課外活動部を上手く転がして、そして大きくしていかないとだね。)
幾月:(あーあ……可哀想な伊織くん。君は本当にいい駒だ。)
幾月:(せいぜい頑張って僕の役に立ってくれ……。)