牛獣人貧相な雄牛は発情期がまだ来ません
〜早く乳を出さないと牧場退去〜
その2
※別世界の話で、KABEが牛の獣人です
※牧場の作業員赤兎馬✕牛獣人KABE
赤兎馬が撮影した牛獣人(KABE)が犯されている動画が引き金となり、大迫乳業の幹部たちは逮捕・立件となった。
そこへ同業である桜庭乳業が手を差し伸べた。
大迫乳業から桜庭乳業へと名前を変え再建へと動き始めたが、しばらくすると大迫乳業の幹部たちは軒並みリストラ、良くて子会社への出向などで姿を消すこととなった。
赤兎馬は桜庭乳業で、乳搾り担当の作業員として働いていた。
そこへ上から大迫乳業の噂の真相を撮影するよう指示された。
牛獣人を虐待していると聞き義勇心に駆られたが、盗撮しなければならない事には後ろ暗い気持ちを抱いた。
だが誰かが告発せねば、苦しい牛獣人は救われないままであろう。
そう決意し、任務を遂行した。
しかしそれをきっかけに、大迫乳業という看板は、桜庭乳業にとって変わった。
─悪どいのはどっちだ。
赤兎馬は悪事の片棒を担がされたような、苦々しい思いが腹の底から湧いてくるのを感じていた。
だが。
─KABEはもうあんな目に遭わなくて済む。
おっさん共に乱暴されているKABEの姿が目に焼き付いて離れない。
漆黒で絹糸のような髪が汗で白い頬に張り付き、細く頼りない身体をくねらせ喘いでいた。
勝ち気のようにも見える眼を、溶けそうなほど潤ませ懇願しているのに、全く聞き入れてもらえないKABE。
すぐ中イキしてしまう体質なのか、吐精も吐乳も出来ず、苦しげに身を震わせながら耐えていた。
─オレだったら、もっと……。
撮影していた赤兎馬は、いつの間にか脳内で自分がKABEの乳を絞るシュミレーションをしていた。
─正気を失う程にグズグズにとろけるほどの快楽を与えてやる。
そして上と下からオレの精液を嫌と言うほど飲ませてやれるのに。
牛獣人にとって精液摂取は良いとされており、良い乳を出すのを促す作用があると言われている。
赤兎馬は牛獣人の乳を出すのが得意だった。
「KABE」
「はい」
「……」
眼の前に、上背のあるしなやかな筋肉をつけた人間が立った。
浅黒い肌の首にはタトゥー、額にはバンダナを巻き、黒い短髪はオールバックにしている。
目付きは鋭いが無表情な上、無愛想で態度がでかく、とても堅気には見えなかった。
─怖い。
第一印象はそうだった。
手を伸ばされると、ビクリと肩を震わせた。
だが意外とやさしい手付きで顔を撫でられると、KABEは思いがけず羞恥を覚え頬を染めた。
「大分、ここにも慣れてきたみてぇだな」
「……はい」
騒動の中、KABEは引越しをさせられた。
大迫乳業の古く廊下が軋んで凹むような寮から、新しくモダンなデザインのマンションへと隔離された。
動画の拡散によりパパラッチされるのを考慮されてか、仕事もしばらくは休んでいいと言われている。
あてがわれたKABEの部屋は、クリーム色やグリーン系の色でまとめられており、心が自然と落ち着くようだった。
ソファやクッション、毛の長い絨毯、観葉植物、ヒーリングミュージックなどで癒やしの空間となっている。
だがKABEは1日中、ここから出られなかった。
食事や着替えなどの世話は主に赤兎馬カンフーという担当作業員がしてくれていた。
パジャマは手触りの良い
床にはロボット掃除機が1日に2度這っている。
そんな平和な時間に