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    act243129527

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    act243129527

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    2編に分けようにも書き途中でタイトルが決まらないからとりあえずこっちに投げて考えようって言うポイ(クソ長い、7000文字超え)
    この前呟いたG社×W社グレムル

    GWグレムルその日、1匹の歪な蟷螂を見た。

    背中から生えている羽根は不揃いで、伸び放題の茶色の髪がゆらゆらと揺れていて、人間性を感じさせない立ち姿の割にレインコートを着て最低限肌を露出しないようにしているようだった。

    これは果たして人間なのだろうか、蟷螂なのだろうか。

    どちらとも言い難い見た目をしたそれは、ゆらりと頭を動かしてこちらを見た。
    前髪から覗く瞳が、薄っすらと金色に発光しているように見えた。

    それはたった今捕食を終えたようで、返り血に塗れた口元を動かそうともせずにじっとこちらを見つめていた。

    ……どうするべきだろうか。

    もし今食べた分だけでは足りないようであれば私はすぐさま捕食されるだろう。

    私が思案していると、蟷螂はゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
    私は一歩後ずさった。

    だが、蟷螂は今にも倒れそうな程足元が覚束ない様子を見せていた。
    そして私との距離が2メートル以内に到達した瞬間に、蟷螂は力無くその場に倒れ込んだ。

    ばしゃり、と倒れ込んだ水溜りに返り血が流れて広がっていった。

    私はその辺に落ちていた小石を側に投げて反応を見てみたが、蟷螂はぴくりとも動かなかった。

    「……」

    罠かもしれないが、このまま放っておくには後味が悪くなるような気がした。
    何より……この生き物の正体が気になった。

    そっと蟷螂の背後に回り、胴に腕を回す。
    持ち上げても蟷螂はぐったりとしたまま動かなかった。

    家に連れ帰り、体を濡らしたタオルで拭いていると様々な事に気が付いた。

    鎌はタオルの当て方に気を付けなければ切れてしまう程鋭かったし、羽根はどうやら背骨から生じているようだった。

    血がこびり付いている部分を強めに拭っていると、彼が目を覚ました。

    「……?」

    私は構わず鎌を拭った。

    「……⁉︎」
    「っ……」

    彼が暴れ出したので中断せざるを得なかった。

    「な、なっ何を‼︎」
    「……貴方の体の洗浄だが。」
    「……」

    彼は信じられない物を見るような目でこちらを見て来た。

    「……貴方は、人間……なんでしょうか……?」
    「ああ。……貴方もその筈だ。」

    私がそう返すと、彼は目を見開いてじっと私を見た。

    「人間……?私が……?」
    「……少なくとも人間の部位が割合的には多いように見える。」
    「……」

    彼は目を泳がせて、俯いた。

    暫く沈黙が続いたので鎌を拭う作業を再開した。

    「……ありがとう、ございます……」
    「……貴方はどこから来たんだ?」
    「……私は……煙戦争の、兵士でした。この体は強化施術による物です。」
    「……」

    正直、理解に苦しんだ。
    何故わざわざ虫の体にして戦わせるのか、その方が効率が悪いのではないか。

    そんな事を考えたが、今汚れを拭っている鎌の鋭さを思い出して納得した。

    「……不便ではないのか?」
    「……いえ、慣れてしまったので……」
    「……そうか。」

    思えば私の暮らしと彼の暮らしは違うのだから、当然の事だった。

    「……貴方と同じように施術を受けた兵士は今どこに居るんだ?」
    「……分かりません……彼等とも……散り散りになってしまったので……」
    「……そうか。」

    ……では、検証は出来ないか……

    そんな事を考えながらぼんやりと彼の髪を眺めていた。

    「……やはり髪の脂汚れが気になる。風呂に入ろう。……羽根は……水に濡れても問題無いのか?」
    「大丈夫です。……もう、飛ぶ事も無いでしょうから。」

    彼の言葉に含みがあるように思えたが、何も考えずに風呂の準備をした。

    風呂に入れる前に彼の目の包帯に触れようとすると、彼がぎょっと目を見開いて身を引いた。

    「その包帯は取らないのか?」
    「あ……すみません……そう言う事でしたか……大丈夫です。形だけなので……」
    「……形だけとは言っても定期的に取り替えた方が良いと思うのだが。」
    「……」

    尚も彼が嫌がっているように見えたのでここは手を引く事にした。


    体の痩せ具合から栄養失調の様子が見られたので、皿に立てれば手を使わずに食べられるサンドイッチを作って食べさせた。

    私は忍びなさを覚えながらもスパゲティを作って食べた。

    チラリと彼を見てみると、彼は慌てたようにビクッと跳ねてサンドイッチと私を素早く交互に見た。

    「あっ、お、美味しいです!」
    「……そうか。」

    感想を期待してはいなかったのだが……ひとまず感想は受け取っておく事にした。

    「……」

    ……それにしても、気になる。

    食べている時も、食器を洗っている時も、ずっと視線がついて来るのだ。

    ただ人を見る目であったらこんな風に嫌に気になったりはしなかった。

    何と言うか……そう、観察されているような、監視されているような、そんな視線だった。

    そしてそんな視線を感じている時に振り向けば大抵慌てて目を逸らす。

    ……警戒しているのだろうか。

    (……貴方は知らないだろうな。)

    私もまた、貴方の存在に疑念を抱いている事を。



    朝6時に起床して朝食を摂るのと同時に彼のサンドイッチを作り置きして支度にかかる。

    彼はまだ寝ていたのでいつもよりも少しだけ物音に注意しながら着替えて歯を磨き、荷物をまとめて出社した。

    外へ一歩踏み出せば、そこには肉塊が彷徨う景色が広がっていた。

    満員電車には私が職場で見るような光景が広がっており、まだ残っている抵抗感を抱きつつも車内に乗り込んだ。

    私の視界が一変したのはW社に入社してすぐの事だった。

    5秒で目的地に到着出来ると言う通称Warp列車は、実は5秒の間に異次元で数億年もの時間を過ごしてから目的地に着く為車内は必ず地獄絵図が広がる事になる。

    殆どの人間が肉塊となって、人間らしい理性も自我も失って暴れ回っている。

    それを整理するのが私の役割だった。

    だが……それを見続けている内に知らぬ間に負荷が掛かっていたのだろうか。

    この仕事をするようになって1ヶ月経つと、周りの人間が肉塊に見えるようになっていた。
    勿論現実ではそんな事は無い、健康に過ごして来た人間達だ。

    その筈なのに、私の目には肉塊にしか映らなかった。

    幻覚なのは分かっていたので薬を貰って飲んだ事もあったが一向に改善する傾向が見えず、服用を断念する事になった。

    今日も私の目には人が肉塊の形にしか映らなかった。

    ……だが、彼だけは別だった。
    あの蟷螂のような、彼だけは。

    何か……異形が発生している者であれば普通に認識出来るのだろうか。
    そうだとすれば……私はいつまでこのような光景の中で生きる事になるのだろう。

    (……彼と一緒に過ごせば、いつかはこの症状の原因も分かるのだろうか。)

    ある意味私は、彼を被験体のように見ていた。

           *  *  *

    今日も無事に定時を迎え、家への帰路につく。
    今日から彼の為に歩いて帰る事は出来なくなったのでバスに乗った。

    座席には沢山の肉塊が座っており、数人は談笑していた。

    (……W社を退職すれば、これは治るんだろうか。)

    だが……そうだとしても、翼から退職するなど到底あり得ない事だった。
    命の危険こそある物のかなりの月収が出るし、再就職先を探すのも大変だ。

    この幻覚一つを治す為だけに退職など出来る訳もなかった。

    「……」

    だが実際、この光景に慣れている所もあった。

    確かに治せるのなら治したいが、治せないのなら別にこのままでも良いような気がするのだ。

    会話は聞き取れるし、一応格好で見分けは付く。日常生活には何ら支障が無いのだ。

    ……私が慣れてしまえば余計な苦労をせずに済むかもしれないのだ。

    そんな事を考えながら家に着き、部屋の鍵を開ける。

    中に入ると、彼がテレビを点けて見ていた。

    だが私が帰って来たのを見て慌てたようにこちらとテレビを交互に見ていた。

    「あっ、あの……その……」
    「見ていても構わない。」
    「……すみません……事前に報告出来たら良かったのですが……」

    点けられたテレビを見てみると医療ドラマの真っ最中のようで、医学用語が並べられていた。
    ……キャストが全員肉塊だったが。

    「……面白かったか?」
    「……」
    「……?」

    彼は据わった目で画面を見つめていた。

    ……一般的なテレビを見る目ではないような気がするが……集中しているのかもしれないと思い、その場は放っておく事にした。

    昼用に多めに作っておいたサンドイッチがまだ余っていたのでそれを彼に出して、一緒にドラマを観ながら夕食を食べた。

    「……そう言えば、まだ貴方の名前を聞いていなかったな。」

    そう呟くと彼が目を丸くした。

    「……そ、そうですね……私も貴方の名前を聞いていませんでした……」
    「私はムルソーだ。」
    「……ムルソー……あ、私はグレゴールと申します。」
    「ではグレゴールと呼ばせてもらおう。」
    「は、はい……」

    暫しの沈黙が続いた後、グレゴールの方から話を振って来た。

    「む、ムルソー殿は……私を拾う前に何をされていたんですか……?」
    「……何を、とは?」
    「……どこかに、出掛けたりとかは……」
    「基本職場と家を行き来している。時々買い物に行く程度だ。」
    「……」
    「……貴方が望む答えではなかったのか?」

    そう聞くとグレゴールがビクッと跳ねて首を横に振った。

    「い、いえ……!ただ……貴方に似た人を見た事があるので……気になっただけです……」
    「……どこで?」
    「……3番地の、人気の少ない路地で。」
    「……行った事が無いな。」
    「そう、ですか……」

    3番地はここから少し離れた場所にある。
    そこへ買い物をしに行った記憶も無いし、恐らく他人の空似だろう。

    ……だが、グレゴールは何故ここまで落胆するのだろうか?

    「……私に似た誰かが、貴方に何かしたのか?」
    「……私を助けてくださったんです。」
    「……」

    3番地の路地に行った覚えも無いし、人を助けた覚えも無かった。

    やはり赤の他人だろう。

    「……恐らく私ではないだろう。」
    「……そうですか。」

    グレゴールは目を伏せて落胆した様子を見せた。



    グレゴールに毛布を渡した後、ベッドに横たわって目を閉じる。

    最初はベッドに寝かせようとしたが背中から生えている羽根や、至る箇所から生えている突起物のせいで横たわって寝る事が出来ないらしく、部屋の隅で座って寝かせる事になった。

    寝ている間に怪我をしないように彼の鎌にはバスタオルを巻いておいた。

    私が眠りに就いてから何時間経ったのか分からないが……ある時突然、意識が浮上した。

    腕が、焼けるように痛いのだ。
    そして……濡れている。

    「……!」

    驚いて手を引こうとするが、何かが繋ぎ止めていてそれは叶わなかった。

    繋ぎ止めているのは、グレゴールの歯だった。

    グレゴールが、私の腕に噛みついていた。

    首に手を掛けて引き剥がそうとするが、私の腕は更に引き裂かれそうな痛みを訴えた。

    「グレゴール……っ、離せ……!」
    「ゔぅッ……!」
    「グレゴール!」

    私が名前を叫ぶと、彼は怯えたようにビクリと震えた。

    (……正気を失っている訳ではないのか……?)

    そう思っていると、苦しさに耐えかねたのか彼が口を開いた。
    その隙に手を引き、彼を突き飛ばすと彼は床に叩きつけられた。

    「……食べる機会を……伺っていたのか……?」
    「……」
    「……私が作った物では満足出来ないと言うのなら……勝手だが貴方に拘束を設ける事になる。」

    人の味を覚えた人間は、最早人喰いでしかないのだから。

    「違う!!」
    「何がだ⁉︎」
    「私はただ……あの人に、言われたから……」
    「……私を殺すようにか?」
    「違う……!貴方を食べれば……また、人の体に戻れるって……」
    「……?」

    理解が出来なかった。
    だが、グレゴールは追い討ちを掛けるように叫び出した。

    「貴方が仰ったんじゃないですか‼︎人間に見える者を食べれば私は戻れると‼︎貴方が、言ったのに……どうしてこんな酷い事をするんですか……?どうして、私を弄ぶんですか……!」

    彼は苦しそうに、泣きながら喚き散らした。

    「何を……言って……」
    「私の目の前で……人の手を使って物を食べるなんて……‼︎私がっ、戻りたい事を知ってる癖に!!」
    「っ……それは……すまなかった……」
    「……謝るなら……くださいよ……その手……私に……!」

    いくらこちらに非があったとは言え、それは出来なかった。

    「……すまないがそれは出来ない。」
    「なら……っ!あの時の姿を見せてくださいよ‼︎もう一度、私に……!」

    彼が手を伸ばすように鎌の付け根をこちらに伸ばして来る。
    私は身を引いたが、背中が壁にぶつかり彼の腕に囲まれた。

    「もし本当に貴方なのなら……お願いです……いくら貴方に触れる為だとは言え、貴方を食べたくないんです……早く……そうだと言ってください……」

    彼は涙を流す程私に似ている誰かに執心しているようだった。

    ならば……それを逆手に取れば、この状況を切り抜けられるのではないか?

    だが、彼の言葉を必死に思い返してみるも今彼の言う私に成り済ますのは難しかった。

    このまま曖昧にした方が良い。

    「……グレゴール。貴方が言う私が何なのか、私には分からないが……もし、その人が言う事がそのままの意味なら、貴方は目的を果たせない事になるのではないか?」
    「……?」
    「もう一人の私が私を食べろと言って、今の私に擬態しているのだとしたら……貴方は触れたいと思っている私を食べる事になる。」
    「っ……」
    「……それでも良いのか?」

    予想通り、彼は激しく揺らいだようだ。
    先程よりも悲痛な面持ちで涙を滲ませている。

    「……一度、話し合おう。私としても身に覚えの無い理由で死ぬ訳にはいかないから。」

    グレゴールは声を漏らしながら啜り泣き始めた。



    啜り泣く彼をベッドの端に座らせ、私はその隣に座って泣き止むのを待った。

    腕からは血が出ていたので傷口を水で洗い、消毒をして絆創膏を貼って部屋に戻ると、彼は幾分か落ち着いた様子だったので本題に移った。

    「貴方の目的は人間に戻る事なのか?」
    「……はい。」
    「……私を食べれば人間に戻れると言う証拠はあるのか?」

    グレゴールの目が動揺するように左右に動いた。

    「……それは……あの方が、仰ったからです……」
    「……あの方とは誰の事なんだ?」
    「……3番地で、私の傷を癒してくれた方です。あの方は名前も名乗らずに、『お前の目に人間として映る者が現れた時、その者はお前を人に戻す鍵になる者だ』と仰いました。私がどうすれば良いのかと聞くと……『その者を食せ』と、そう仰ったのです……」

    ……なるほど。
    やけに近況を聞いて来る理由が理解出来た。

    だが……一つ、気になる事があった。

    「……私以外の人間は、貴方にどう見えているんだ?」

    グレゴールは震える瞳で私を見つめた。

    「……林檎、です。」
    「……林檎?」
    「林檎が、動いているように見えるのです。」
    「……私と出会った時に貴方が食べていた物は人間だった筈なのだが、林檎に見えていたのか?」
    「……はい。」
    「……その人間と私はどう違うんだ?」
    「分かりません……私にはただ……見える姿が、違うだけです……」
    「……」

    煙戦争の兵士達には認知フィルターが使用されていると言う話を記事で読んだ事がある。
    一時期、私の視界もその影響ではないかと疑った事があるがどんなに調べてもそんなフィルターは見つからなかった。

    彼の場合は認知フィルターが残存している可能性が高いが、それにしても……私と境遇が似ているように思われた。

    「ムルソー殿は、唯一人間に見えるのです……きっとあの方の仰った人間とはムルソー殿の事なのです。でも……」
    「……私が、あの方かもしれないと言う事か。」
    「……」

    グレゴールは悔しそうに口を噤んで俯いた。
    恐らく、彼にとって私の存在は目の前に置かれているのに食べる事を許されていない食べ物のような存在だったのだろう。

    「せめて……ムルソー殿でなければ……」
    「……私でなければ、食べたのか?」
    「……」
    「……私にはそうは思えないが。」

    グレゴールは自らの鎌を見下ろして黙り込んでいた。

    「相手が人間と言うだけでも手を上げるのは躊躇ってしまう物だ。貴方は相手が林檎だから出来たのであって、人間相手になると怯むのではないか?」
    「……お恥ずかしながら、その通りです。今まで、林檎にしか見えないからと言う理由で、何人も殺して来たのに……」
    「……」
    「……やはり、私はこの姿のままで居るべきなのでしょうか。」

    グレゴールの気持ちが理解出来ない訳でもなかった。
    だが……人の為に命を差し出す事は出来なかった。
    だから、私の事を話す事にした。

    「……私は、人が肉塊に見える。」
    「え……?」
    「歩いている人、街の人々が皆……真っ赤な肉塊のように見える。今勤めている会社に勤務し始めてからだ。だが……貴方は唯一、多少の異形こそあるものの人間に見える人だ。」

    グレゴールは目を丸くして私を見た。

    「……貴方が居れば、私は人が肉塊に見える理由が分かるかもしれないと思って貴方を拾った。」
    「……そう言う、事だったのですか……」
    「……貴方は、自分の姿がどう見えているんだ?」

    グレゴールは視線を泳がせた後、ぽつりと呟いた。

    「……虫、です。恐らく、貴方が見えている程人間の原型を留めていません。」
    「……なるほど。」

    考えてみれば考えてみる程複雑な状況だった。

    私は人が肉塊にしか見えないが、彼だけは虫の形をしているパーツがあるが人間に見える。
    彼は人が林檎にしか見えないが、私と私に似た"あの方"は人間に見える。

    お互いに正常な世界を見ているとは言い難く、判断が難しかった。

    「……私達がまずやるべき事は、私達の視界が正しいかどうかを確かめる事だな。」

    まずはお互いの姿からだ。

    「ムルソー殿は……鏡に映る自分が、どう見えているのですか?」
    「自分の姿は人間の姿に見える。だが……貴方以外は、肉塊に見える。」
    「……そう……ですか……」
    「……貴方の姿を第三者に確認してもらう必要があるな。」
    「……」

    グレゴールは自らの体を見て眉を下げた。

    「……信用出来る者を連れて来る。」
    「……何だか説得力がありますね。はは……」

    彼の引き攣っていない笑顔を、その時初めて見たような気がした。

    「……」

    ……願わくば、このまま変わらないで居てほしい。

    彼の願いを知っておきながら、そんな事を考えた。
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