重ねる「デンジくん、今日は一緒に帰れないよ」
「あ、そぉ」
放課後、誰もいなくなった教室。
申し訳なさそうに思っているような思ってないような顔で黒髪の青年が言う。
彼__吉田ヒロフミ__はデンジが高校生活を始めてからというもの「チェンソーマンになるな」と言い続け、何かとデンジを追いかけていた。デンジはそんな吉田を最初は只管に煙たがっていたが(今も時々煙たがってはいるが)、紆余曲折を経た結果今の2人の関係はセフレに落ち着いている。
なんとなく一緒にいる機会が多くて、
なんとなく互いの家に行くようになって、
なんとなく行為に及んで、
なんとなく関係を続けて。
する間隔は3日から1週間程度。2人とも一応健全な男子高校生ではあるし、放っておけばそれなりに発散したくなるというもので。
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