異国の光の中で 事態が進展するまで時間がかかりそうだということもあり、光の戦士たる少女はサンクレッドが向かったという東方へ足をのばしていた。とはいえ連絡は取っていない。ある程度見てまわって出会えなければ、それはそれで仕方ない――彼女はそう考え、まずはとクガネの街を歩いていた。東方独特の装束に身を包む人々の間を縫いながら、賑やかな街の空気を吸う。通りを抜けると、人ごみに火照った頬を冷たい風が拭った。
「相変わらず活気があるなぁ」
少し高台に上がり、クガネの街を見下ろす。昼と夜とでまったく違う煌びやかな姿を見せるクガネの街を、少女は好いていた。この地方独特の装束も良い。少し動き難さもあるが、素朴さと華やかさの両方を兼ね揃えたそれを気に入っている。
5699