ほとぼりは冷めない「「じゃん、けん、ぽん!」」
「よっしゃっ!」
「くっ…」
盛大に揺れるオレンジと青のツートン、只のじゃんけんにしては熱量がおかしい2人を見ながらKAITOが女子2人に尋ねる。
「どうしたんだいあの2人」
「えっと…」
「うーん」
杏とこはねが言い淀む。
言いたくないのか言えないのかその様な雰囲気だ。少し躊躇したのち杏が意を決した顔で答える。
「私達も横で聞いてただけなんですけど…どっちが上をやるか揉めてる…みたいな…?」
一瞬理解が遅れたが2人が付き合っている事、一線は既に超えている事を思い出したKAITOは察した。
「あっ、なるほど…」
「カイト、そういう事女子に聞かないの」
「不可抗力だよ!」
隣のテーブルに座っていたミクに諌められ、杏とこはねは苦笑いで返す。ミクも分かっていて注意した節はあるが一応ちゃんと言ってくれるのがミクである。
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