最期に見るなら貴方がいい近所の良くしてくれていたおばあさんが亡くなった。先に旅立たったおじいさんを追いかけるような形で、病にかかり無くなってしまった。
苦しい闘病生活でやつれたおばあさんは、おじいさんの元へ行く前の表情は心底穏やかで鮮明に覚えている。
最期におばあさんは、「おじいさんが会いに来てくれた」と息を引き取ったらしい。高齢で目もあまり見えてなく、薬の副作用なのかせん妄なのかは分からないが、おじいさんを目に焼き付けながら亡くなったんだ。
それに周りの人達は、涙しながら良かったね、お迎えに来てくれたんだね。そう口々に零している。愛する人を見ながら緩やかに死ねるなら、それ以上の安楽はないだろう。
しかし、いつだって残された者たちが、辛い悲しい気持ちをずっと抱えて生きていかないといけない。
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