レオナさんお誕生日おめでとう2022小話「ドラゴンはデッドヒートがお好き」 七月二十七日午前九時。
自寮に戻ろうとしていたマレウスは、メインストリート脇でイデアとオルトに出くわした。本日は公休日で授業がなく、学園内は閑散としている
「何をしている?」
「ひえっ、マママレウス氏……!」
「マレウス・ドラコニアさん、おはようございます!」
「おはよう。小さいシュラウド。……見慣れないものがあるが」
数人のイグニハイド寮生が、マレウスの視線に怯えたように後ずさった。
「これは今日のイベントで使う予定のMVだよ。兄さんが設計した最新型で、従来型より魔導燃費が三十六%改善されているんだ。安全面でも革新的な手法を取り入れていて、MVの未来に一石を投じる意欲作だよ!だけど……」
「問題が起きたのか?」
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