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    ほむら

    @rietokota

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    ほむら

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    星を見ながらチューしてる流花のお話

    #流花
    flowering

    海と風と星と赤「お前ら気をつけて帰れよー!」
    「リョーちんとヤスもな!」
    「おつかれっす」

    十一月も半ば、4時を過ぎたら外はもう暗い。
    今日から金土日の3日間、体育館の雨漏り工事のため部活は休みとなった。

    「なぁ、あそこの公園街灯あったよな?1on1してから帰えろーぜ。3日もバスケしなかったらカラダなまっちまう」
    「ん」
    「じゃぁ負けた方がラーメンおごりな!」


    花道が山王戦で背中にケガを負い入院したのが夏の真っ最中。
    リハビリを終え退院してから少し経った秋の始まりくらいの頃にオレ達は『恋人』になった。
    オレと花道の出会いは最悪。
    コイツがバスケを始めたきっかけは赤木先輩の妹にかっこつけてのことだったからそんな浮ついた理由じゃ長くは続かないだろうと思っていた。
    でも予想に反して部活にもマジメに来るし自主練もきっちりこなすし、気づいた頃にはバスケ経験者の先輩や同級生達を追い抜きたった4ヶ月で湘北のスタメンとしてインターハイの舞台に立っていた。
    最初こそ認めたくもなかったが今となってはコイツのバスケセンスに期待している自分がいる。
    コイツの成長が楽しみだし何より一緒にバスケするのが楽しい。

    そんな気持ちに気づいた時にはすでにオレの中にはコイツがいて、その存在がバスケと同じくらいデカくなっていた。
    だからコイツが入院した時もう一緒にバスケできねーかもって思って怖っかったし、オレとコイツの繋がりなんてバスケくらいしかなかったからそうなったらもう話すこともなくなるのか?
    なんて。
    そんなこと考え始めたらいてもたってもいられなくなって

    「お前が好きだ。オレと付き合え、どあほう」

    無意識に口をついて出ていた言葉。
    自分でもビックリしたが言われた花道はもっとビックリしていた。
    「おれはオトコだぞ!何言ってんだバカキツネめっ!」とかなんとか顔を真っ赤にしながら散々喚いていたが

    「オレは本気だ。お前はどうなんだ?」

    たじろいでいる花道に

    「後でいいから返事聞かせろ」

    その2日後に「しょーがねーからオツキアイしてやる」と髪と同じくらい真っ赤な顔でOKの返事をもらって今に至る。
    恋人らしいことといえば手を繋いで軽くキスしたくらい。
    オレも男だしもっと先に進みたい気持ちがないわけじゃないけど、無理強いしてコイツに嫌われたくはない。
    とにかく今はコイツと一緒にバスケができるだけで嬉しい。


    「今日もお前の負けだどあほう」
    「ぐぬぬ…キツネめ!この天才がキツネなんぞに負けるとは…」

    花道は悔しそうにしてるけど初めてワンオンした時に比べたら格段に上手くなっている。
    調子乗るから言ってやんねーけど。

    「ラーメン食いに行くぞ」
    「あのぅルカワくん、今更なんだが天才はロクジュウサン円しかもっていないのだよアハハ」
    「…んなことだろーと思った。そんじゃあインスタント買ってお前んち行く」
    「オレんち?ナゼダネ?」
    「明日部活ねーからお前んち泊まる。着替えも持ってきた」
    「!?」

    ビックリした顔で固まる花道。
    花道には言っていなかったが今週末部活がないとわかった時からオレの中で花道の家に泊まることは決定事項だった。
    花道と一緒にいられるだけでいい…あわよくばちょっと恋人らしいことができたらそりゃ嬉しいけど
    花道はどう思っているか知らないけど、オレは誰にもジャマされず二人きりでゆっくり過ごす時間が欲しいとずっと思っていた。

    「…それ…フジュンイセーコウユウだぞ…」

    俯いて何やらブツブツ言っている花道を無視して

    「ほら行くぞ」

    花道の手を取ると

    ビクッ!

    明らかに動揺する花道。
    手なんて毎日繋いでるのに。
    未だ慣れないのか毎回恥ずかしがる花道が本当に愛おしい。

    左手に花道、右手で自転車を押して公園を後にする。
    公園を出ると途端に際立つ闇。
    お互い白い息を吐きながら無言のまま歩き始める。



    「わーすっげー!」

    花道から歓声が上がる。
    花道を見ると空を見上げて目をキラキラさせている。
    つられて見上げると月のない漆黒の闇に一面の星。
    神奈川でもこんなに星見えんのか…なんてちょっと驚いていたら

    「なぁ、これから海行かね?」
    「は?」
    「星見に行きてぇ」

    正直寒いし早く帰って花道を独占したかったけどあまりにも可愛い顔で言うから。

    「じゃぁ明日もお前んち泊まってもいいなら行ってもいい」

    そんな条件をのませ二人乗りで海まで自転車を飛ばす。



    「うぉーさみぃー!」

    首をすぼめて花道が叫けぶ。
    そりゃそうだ
    十一月の夜の海、風も波も強い。

    二人で砂浜に座って空を見上げる。
    体が触れるか触れないかの距離にちょっとドキドキする。
    少し前まで毎晩のように若者が集まって騒いでいたこの砂浜もさすがにこの時期ともなると人っこ一人いない。
    風と波の音、潮の香り、僅かな灯り、
    そして隣には大好きな花道。

    少しの沈黙の後


    「星、すげーキレイだな」

    そう呟いた花道を見ると視線が絡まった。

    「さっき公園で空見た時おめーともっとゆっくり見てーなって思ったんだ。なんかデートみたいだな」

    えへへとちょっと照れたような顔。
    そんな顔されたら理性がもたない。

    「なぁルカワ、星座とかわかるんか?」
    「…や、わからん…でもアレ、オリオン座とかいうやつじゃねーの?三つ星のやつ」

    どれ?
    と言いながらオレの視線の先を追うように顔を近づけてきた花道。
    その頬に軽くキスをする。

    「なっ…!」

    そのまま花道の頭を引き寄せ唇を奪う。
    最初はアタフタしていた花道だったが何度か啄むようなキスをした後

    「…もっと…して…え…」

    潤んだ瞳でキスを強請る。
    こんなに積極的な花道は初めてだ。

    「…ん、」

    花道の口をこじ開けて舌を絡ませると甘い声が漏れる。
    お互い貪り合うように深く深くキスをする。


    「ん、…も、もぉ…ストップ!」

    急に花道から顔を押し返され強制終了。
    なんだよ、せっかく気持ち良かったのに。


    「これ以上やったらオカシクなる…」

    涙をためた目で上目遣いにオレを見て息を切らしながら呟く花道。
    その顔やめろ、可愛すぎんだよどあほう…正直オレもこれ以上やったら制御不能になる。
    下手したらここで押し倒してしまいそうだ。

    「帰るぞ。続きはそれからだ」
    「ふぬっ!続きなどないっ!」
    「煽ったおめーが悪い、どあほう」

    ぎゃぁぎゃぁ文句たれている花道の手を引いて自転車まで戻る。





    「なぁ」

    自転車にまたがったら後ろから花道がぎゅっと抱きついてきた。
    いつもこんなことしないからビックリして後ろを振り返ると

    「また2人で来ような」

    そういってニカッと太陽のような顔で笑う。

    そう、その顔
    オレの大好きな顔

    もう一瞬たりとも離したくない。
    オレの大事な花道。

    「花、大好きだ…」

    そう言って唇を重ねた。

    神様とかそんなもん信じてねーけどそれでも今は
    どうかこの幸せな時間が永遠に続きますように。

    たくさんの星々に願いをこめて
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