Special Day「カエデ、結婚…するか」
それは突然花道の口から放たれた。
20代最後の年のオフシーズンに入る前日。
閑静な住宅街に購入した2人の家のウッドデッキのソファーでビールを飲みつつ、花道特製のおつまみを味わっている最中突然にだ。
アメリカバスケ界の狭き門をくぐりどうにかプロチームとの契約に漕ぎ着けたのが数年前。
入れ替わりの激しい弱肉強食のプロの世界で数年間その地位を守り続けている。
同じ頃に渡米してきた宮城や沢北もチームは違えどまだまだ現役。
高校時代から付き合っている花道と流川だが、流川が渡米してから花道が渡米するまでに2年程の遠距離を経験している。
花道の留学先は沢北と同じ大学。
基本2人部屋の大学の寮で、たまたま相部屋を免れていた沢北の部屋に「同じ日本人だから」という理由で押し込められた花道はそこからの2年間沢北とルームメイトだった。
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