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    hakkabox

    @hakkabox

    考察と妄想とポエムとメモがごっちゃになりがちなので、とりあえず思いつきを放り込むボックスを作ってみました。作品未満のまとまらないポエムとか、脳内会話とか、ネタバレメタ視点だとか!
    緩く生暖かくご覧いただけると幸いです。

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    hakkabox

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    坊とフリックの少し未来のじゃれあいメモ お前が順当に歳を重ねていってくれていることが、おれは何より嬉しいんだ、って、そろそろ無理がきかなくなってきたとぼやく元副リーダーに有り体に伝える坊とフリックの小ネタ


    「傍目には下手すりゃ爺さんと孫に見えるかもな」
    「馬鹿いえお前にそんな貫禄なんてあるものか、親子にだって見えやしない」

    ……だからせいぜい長生きしろ、おれの爺さんと間違われるくらい、ちゃんと元気で生きていてくれ。

     言外の意は、こいつなら汲み取っているだろう。

     それにしても、あの頃の父の年齢なんてとうに越えているにも関わらず、こいつは威厳なんてかけらも見せない相変わらずの優男だ。やさしげな見た目に反して本質はかなり自他に厳しいやつだが、今一歩のところでどうにも詰めが甘い。

    ……主に身内に対するその甘さに付け込んでいる自覚はある。

     置いて、行くのか。置いて逝かれるのか。

     年の単位での時折の訪いごとに、少しずつ老いを重ねる奴は、わかっていてこちらを甘やかす。あの頃と同じように、おれをおれとして、ともに隣に立った戦友としてみなして、相応の雑さで接してくる。
    変わらぬ姿のこちらに何も感じないようなやつじゃない。

     一度、酒の勢いか何かで聞いてみたことがある。
    「ああ、そりゃあ、」
     瞬間和らげた表情を、あいつはすぐにちょっとばかり人の良くない笑みに置き換えて鼻を鳴らしてみせた。
    「見た目はともかく、中身は相応以上に老獪になってやがるもんな、リーダーさんは」
     ガキ扱いなんてとてもとても、等とおどけてみせるからタチが悪い。そこに乗っかってじゃれあっているのだから、こちらも随分甘ったれてはいるのだろう。

    「お前こそ、長生きしてくれよ、リーダー。不老といっても不死じゃあない。死ぬなよ?」

     次の約束のない、それはいつものやつの別れの言葉。
    勿論だ、と笑ってやる。

     その言葉が、その声が。どんなに過去のものとなろうとも。

     それはきっと、おれが生きる理由の一つになる。
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    hakkabox

    PASTリーダーと副リーダーの関係性が今熱いと聞いて、引っ張り出してきました! 支部にもおいてあるけど!
    フリックさんガチ有能、スカーレティシアの例のアレだって、あまりにも、あまりにも出来すぎててむしろ出来レース疑惑なので、話にしてみました!
    リーダーをリーダーとして認めさせるために、泥をかぶることを当然と認識してるフリックさんはいいぞ!
    ガランにて「やったぜ おれたちが、解放軍が帝国軍をやぶった」
    「……勝ったのか」
     城塞の戦いを見守っていた青年の興奮を隠しきれないその声を受けて少年の口から発せられた静かな言葉に、マッシュは口の端だけで笑みを深めた。
     解放軍、などとたいそうな名乗りをあげてはいるものの、実質各地の反乱組織をとりまとめゲリラ戦を展開するに留まっていた組織である。帝国の拠点の一つとはいえたかが関所を落とした程度の小さな戦果、だが解放組織にとってパンヌ・ヤクタの攻略に引き続くこの勝利はとてつもなく大きなものと映るだろう。
     軍主として組織を率いての連勝を確信しながら、その声に喜色が見られないとは。少年の年齢ならば功名心に舞い上がっても不思議ではないというのに、なんともまあリーダーとして望ましい振る舞いではないか。
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    hakkabox

    PASTサマーウォーズ放送記念に!
    過去名義でアンソロに参加させていただいた支部にも乗せてるやつですが、ビクトールとフリックが花札勝負をしているのを見たかったので自分で書いた話

    ビクトールとフリックの明確なキスシーン(感情を伴うが挨拶程度の肉感的ではない描写)、地の文において身体を重ねる関係であることが明示されていることをご承知おき下さい
    恋請「なあフリック、賭けをしよう」
     言い出したのはビクトール。いい加減酔いも回っている筈の宴もたけなわの頃合いだったにも関わらず、その声はとても落ち着き払っていた。軽い酔い心地のまま、ぼんやりと酒場の喧騒に身を任せて頬杖をついていたフリックは、足を組み替えながら向き直る。
    「ふうん…どうせろくでもない魂胆があるんだろ」
     たっぷり一呼吸分の間、無遠慮にビクトールを上から下まで眺め回してやってから、フリックはにやりと笑ってそう応じた。 
     ああ、まったくもって良い酒だ。なんたってビクトールの考えていることが良くわかる。
     いつもよりほんの僅かに上目遣いにこちらを伺う男の視線をフリックは真正面から受け止めた。この男が、こういう目をするときに考えていることなど、フリックにはとうの昔に分かりきっている。
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