おちてるむぎゅ。
なんか踏んだな、ねこのしっぽみたいなヤツ。
そう思って、両手に持っていたスペアリブの皿と、ポップコーンのカップを横にずらして覗き込むように下を見てみた。
あ、ルシファー落ちてる。
うう〜ん、ねこ落ちてる方が嬉しかった〜〜〜〜。
いや地獄にあの大変キュートで完璧な生命体ともいえるねこちゃんがいないことくらい知ってるので、なおさら残念でしかたない。
どうやらねこのしっぽと思ったものは、床に伸びた地獄の王さまのしっぽだったようで、アダムはそれを踏んづけていた足をそっとあげた。いや別に踏んで悪かったとか思った訳じゃねえから。料理をこぼしたくないだけだから!
踏まれた当人も微動だにしていないし、痛くないんじゃないか? なのでわたしは悪くない。しっぽの感覚なんて、生まれてこのかた体験したこともないから知らんけど。
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