閃光にとける 上がる花火にロナルド君とジョンが歓声をあげた。
焼きそばと炭酸飲料を手にしたロナルド君は、上機嫌だ。
ジョンを真ん中に挟んで、私も空を見上げる。
それは一昨日のことだ。
「頼む! 頼むよ! 花火マッチョの記憶を上書きさせてくれ!」
などと、ゴリラは意味の分からないことを頼み込んできた。
「なんだい、花火マッチョって」
「ね、ねこが」
「猫?」
「毛玉……あわばばばば……」
「うわー!? え、ちょっと!?」
マナーモード宜しくガタガタブルブルしながら泣き出した。
……なんかよくわからんが、トラウマ的ななにかがあったらしい。
なので少し可哀想になったのと、ジョンが楽しそうだったので引き受けてみた。
焼きそば、たこ焼き、ラムネにノンアルコールのビールと焼き鳥、イチゴ飴なんかも用意して、屋上はちょっとしたお祭り会場だ。
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