チョコレートシロップ ぴちゃりぴちゃり、と舌が指先を舐めている。
右手にはジョン。左手には若造。真ん中に困惑している私。
「おかわり!」
「ヌヌヌリ!」
「はいはい」
要請に、カップに人差し指をいれる。そこには、たっぷりのチョコレートシロップ。それを塗りつけてから、また二人へ差し出した。
ジョンは可愛らしく一生懸命に舐めだし、若造は口に入れると、一心不乱舐めまわす。
どうしてこうなった。
思い出すのは、二時間前くらい前。
「バレンタインデー! だ! チョコレートを渡せ!」
「唐突になに」
ギルドへ出向いて、皆さんへチョコを配ったその帰り。
いつものように食事を終えて、さぁ寛ぐか……と、なったところで唐突にロナルド君がそう叫んだ。
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